HTML5はFlashとSilverlightの代わりになれるか - (page 2)

Justin James (TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2012-02-08 07:30

入力ウィジェットの改良

 HTML、CSSおよびJavaSvriptを組み合わせて、デスクトップアプリケーションのインターフェースを真似るのは大変だ。幸運なことに、HTML5では入力用の様々なウィジェットが全面的に改良されており、デスクトップのインターフェースのように使えるため、この種の必要が生じても、FlashやSilverlightを使わなくてはならない場面は減るだろう。例えば、<input>タグのtypeアトリビュートでは、ブラウザに対して、テキストフィールドにどんな種類のデータが入力されるかを指定でき(例えば日付情報など)、これによって、ブラウザはユーザーに対してウィジェットをよりよい形で表示することが可能になる。それに加え、HTML5にはメニューやツールバー、コンテキストメニューなどの作成に利用できる<menu>要素が用意されており、これらを使えば、開発者は最小限の作業でインタラクティブな体験を提供できる。

非同期処理

 アプリケーション開発においては、非同期処理モデルが必要不可欠だ。これは、非同期処理が利用できれば、ユーザーインターフェースをフリーズさせずにバックグラウンドで重い処理を行い、処理が終わったらUIを更新するといったことが可能だからだ。HTML5では、このニーズにWeb Workersの仕様で応えている。この記事で挙げている他の項目と比較すると、Web Workersのサポート状況は十分ではないが、おそらく2013年頃にはずっと広く使えるようになると期待できる。なぜなら、Web Workersを支持している主要なウェブブラウザがInternet Explorerであり、IE10のプレビュー第2版にはこれが含まれているからだ。Web Workersを使えば、現在はFlashやSilverlightを使ったデスクトップアプリケーションでなければ現実的でない、クライアント側でCPUを酷使するタスクが可能になる。

通信

 WebSocketの仕様では、ブラウザとホストの間の双方向通信が定義されている。これは、HTML+HTTPの組み合わせに決定的に欠けていたもので、開発者はこれまで、さまざまな方法で双方向通信を模倣しようとしてきた。WebSocketは実際、HTTPにピギーバックしているため、他のプロトコルやポートを使った場合のように、ファイアウォールでブロックされることはない。Web Workers同様、WebSocketの仕様はまだ進化している最中であり、サポート状況は十分ではないが、この状況はすぐに変わると見込まれている。FirefoxとChromeに加え、IE10でもWebSocketがサポートされる予定になっているため、1年以内にはWebSocketに高い水準の互換性を期待できるようになるはずだ。

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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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