アップルの最新の動向に見る競合他社への影響力 - (page 2)

Seb Janacek (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2012-07-25 07:30

GoogleとMicrosoft

 GoogleとMicrosoftはどちらも自前のデバイスを発表したことで、ハードウェアを提供しているパートナー企業の怒りを買うリスクを冒した。またこれは、リスクはチャンスにもなり得るということを認めたということでもある。

 組織が大きく方向転換をするには、大きな脅威か大きなチャンスが必要だ。Appleはそれだけの力を持っており、自ら開拓した市場で、自らの製品で大きな利益を上げてみせ、そのチャンスが賭ける価値のあるものだということを証明した。

 また、Appleは競合他社に行動を強いている。最近まで、Steve Ballmer氏がAppleを酷評する場面を目にするのは珍しいことではなかった。しかし、真似をするというのは相手に対する最高の賛辞だ。Microsoftの従来のパートナーには、その役目を任せられないということだ。

 Googleでも同様のことが起きている。Googleにはやりたいことがあり、自前の製品である「Nexus」で、自分でそれを実行するという判断をした。そして、その製品は素晴らしいものだ。

 PalmのCEOは2006年に、当時うわさされていたモバイル市場でのiPhoneの発売に先駆けて、次のように述べている。「PC業界の人たちにはこれは分からないだろう。彼らが参入してくることはない」

 実際には、彼らは参入した。今では、AppleはポストPC時代への道をリードしているし、PC業界の利益とイノベーションの面でもリードしている。

エンドツーエンドのユーザー体験

 PC業界の人たちは、Appleが新しい市場を開拓していくのに必死で追いすがっている。最高のハードウェア、最高のタブレットユーザー体験、最善のプラットフォームと最善のエコシステムを作るという競争が起こっており、Appleはこのエンドツーエンドのユーザー体験モデルで勝利している。

 わたしはテクノロジ業界に身を置いて15年になるが、1つの企業が市場のこれほど多くのセグメントに影響を与えている時期を思い起こすことができない。

 しかもAppleは、新しい市場を定義し、支配すると同時に、Macを過去にないほどよい状態にすることによって、古い市場にも新たな息吹を送り込んでいる。最近の発表は、Macを向こう10年間戦えるものにした。

 Appleは過去にも未来にも目を向けており、今はどちらも完全にコントロールしているように見える。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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