クラウドコンピューティングインフラへの支出は、猛烈なペースで増加し続けている。だが今後、クラウドベンダーは利益を上げるためにより懸命に取り組む必要があるかもしれない。
テック系市場調査会社Canalysのデータによると、2019年第1四半期の世界クラウドインフラサービス市場は前年同期比で42%成長した。また、「Amazon Web Services」(AWS)は売上高が23億ドル(41%)増加し、金額ベースで最大の増加となったという。AWSは2位のMicrosoftとの差をさらに広げたが、Microsoftも売り上げを15億ドル(75%)伸ばしている。Googleは、割合ベースでは上位3社の中で最も成長が早く、売り上げは12億ドルから23億ドルへと83%増加した。
提供:Canalys
前年比で42%という市場成長率は、2018年第4四半期の46%をわずかに下回ったが非常に目覚ましいものだ。だが、大手クラウドベンダーはこの成長率を維持したいと考えており、2019年にはエンタープライズ顧客の獲得競争が激しくなるとCanalysは述べている。
多くの企業が、既にシフトしやすいアプリケーションをクラウドに移行しており、クラウドコンピューティングへのアプローチを成熟させつつある。マルチクラウド戦略やハイブリッドIT戦略に移行することで、さまざまなクラウドサービスプロバイダーや導入モデルのメリットを活用し、アプリケーションやデータの要件、コンプライアンス、費用、パフォーマンスの変化に対応しようとしているとCanalysは報告している。
CanalysのチーフアナリストAlastair Edwards氏は、「クラウドインフラ市場はハイブリッドITの導入という新たな段階に移行しつつあり、企業は自社のオンプレミス環境とより簡単に統合できるクラウドサービスを求めている」と語っている。