IDC Japanは5月15日、国内クライアント仮想化市場に関する最新の調査結果を発表した。この調査では初めて、対象領域(シンクライアント専用端末、クライアント仮想化ソフトウェア、クライアント仮想化ソリューション:オンプレミス、クライアント仮想化サービス、モバイル仮想化ソリューション)のうち4つで富士通がトップシェアになった。
シンクライアント専用端末では、2018年の出荷台数が総計24万3512台で、前年比19.3%増だった。主要ベンダー別では、富士通が初の首位となり、日本HP、デル、Atrust、NECが続く。フォームファクター別では、全体の43%をモバイルシンクライアントが占め、過去最高だった。なおモバイルシンクライアントは、世界市場では需要が低く、日本でのみ需要が高い製品という。
国内シンクライアント専用端末市場 ベンダー別 出荷台数シェア、2018年(Source: IDC Japan, 5/2019)
クライアント仮想化ソリューション(オンプレミス)は、売上額が前年比6.6%増の6284億円で、ベンダー別では、富士通、日立製作所、NEC、日本ヒューレット・パッカード(HPE)、IBM、NTTデータの順となった。同サービス市場では、売上額が12.6%増の676億円となり、ベンダー別シェアは富士通、日鉄ソリューションズ、NTTデータ、NEC、日立製作所、IIJの順だった
モバイル仮想化ソリューションは、売上額が13.3%増の257億円で、ベンダー別シェアは順に富士通、e-Janネットワークス、NTTテクノクロス、スプラッシュトップ、RSUPPORTとなった。富士通は、主力製品「FENICS II」など企業向けネットワークサービスが前年比で大きく成長したとしている。
調査を担当したPC、携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの渋谷寛氏は、「「2019年はデジタルワークスペースがさらに革新し、インテリジェントワークスペースへ発展するであろう。セキュリティ/認証系のクラウドサービス、ストレージサービスなどの新技術を見極めながら自社エンドポイント環境に融合させることが求められている」とコメントしている。