IDC Japanは5月30日、国内トラディショナルPC市場の出荷実績値を発表した。同市場には、デスクトップPC、ノートブックPC、ワークステーションが含まれ、x86サーバーは含まない。
これによると、2019年第1四半期(1月〜3月)の出荷台数は、法人市場が前年同期比42.0%増の291万台、家庭市場は同比5.2%増の114万台、両市場合わせて同比29.2%増の405万台となった。
Windows 7の延長サポート終了に伴う勢いは、2019年第1四半期でピークに達したとし、第2四半期(4月〜6月)以降は中堅中小企業(SMB)を中心に山が続くが、法人市場全体としては2019年後半から2020年に向けてかなり落ち着くだろうとしている。
2019年第1四半期 国内トラディショナルトPC出荷台数 トップ5カンパニーシェア
この調査は、IDCが実施したPCベンダー調査、ユーザー調査、販売チャネル調査などをもとに、独自の分析を行い算出したもの。
法人市場は2018年前半から顕著な伸びが続いているが、この1〜3月には勢いがピークに達したとIDCは見ている。インテル製CPUの供給問題が国内ベンダーを中心に出荷の押し下げ要因になったが、影響を受けていないベンダーの製品への切り替えや、比較的潤沢なCPU搭載モデルの強化が実施され、法人市場全体への影響は比較的小さかったとしている。
家庭市場では、2018年第4四半期(10〜12月)に続いて前年比増となった。出荷台数は家庭市場のピークの四半期としては決して高いレベルではなかったが、それでも前年比増となった背景には、2018年の同期は前年比9.9%減と大きく落ち込んでいたこと、リテールはゴールデンウィーク期間中やその後のプロモーション活動に備えて在庫を積み増したことが考えられるという。
カンパニー別の出荷台数上位5社については、レノボ/NEC/富士通グループは、グループ全体で出荷台数シェアは37.3%となった。しかし富士通の法人市場での不調が響いて前四半期から6.6ポイントシェアを落としている。成長率では、法人市場が前年同期比22.5%増、家庭市場が同比11.7%増と家庭市場での伸びが顕著だった。
日本HPは、出荷台数シェアは18.7%と前四半期から4.2ポイント伸ばした。法人市場、家庭市場ともに好調で、法人市場の前年同期比は73.7%増、家庭市場は同比48.4%増だった。
デルは、出荷台数シェアでは前四半期から微増で15.6%。法人市場におけるデルの前年同期比は71.0%増と日本HPに次いで記録的な成長率となった。家庭市場では同比5.9%減だった。
ダイナブックはシェアでは9.5%と、前四半期から2.7ポイント伸ばした。特に法人市場では前年同期比47.7%と、CPU供給不足の影響を受けながらも健闘した。一方、家庭市場は同比9.3%減と不調が続いている。
アップルのシェアは5.6%と5位を維持している。法人市場で同比4.6%増、家庭市は同比9.9%増。