Hewlett Packard Enterprise(HPE)は、米ラスベガスで開催中の自社カンファレンス「HPE Discover 2019」で、2022年までに全製品ポートフォリオを「as-a-Service」として提供する予定であることを発表した。また、「Primera」と呼ばれる新たなストレージ製品や、ハイブリッドクラウド製品やエッジコンピューティング製品の新規ラインアップも発表された。
HPEのハイブリッドIT担当プレジデント兼最高営業責任者Phil Davis氏は、消費ベースのモデルへの移行によって、より多くの顧客に訴求できるようになり、提供できる選択肢が増えると語った。Davis氏は、「大規模なエンタープライズ顧客は今後もas a Serviceを選択できるが、オンプレミスも利用できる」と述べた。同社は、独自のデータセンター施設などを持たない中小規模の企業向けには、適切な規模のサービスを新たに提供していくと説明している。
HPEの「as-a-Service」化を推進する取り組みの中心になるのが、同社の「GreenLake」だ。GreenLakeは、企業にハイブリッドクラウド、プライベートクラウド、従来型のIT環境などを「as-a-Service」方式で従量課金制で提供する。
HPEはまた、CyrusOne、Equinix、Google Cloudとパートナーシップを組んで、ミッドマーケット向けのGreenLakeの新サービスを提供する予定であることも明らかにした。これらのパートナーシップによって、オンプレミスITをサービスとして提供するモデルを、コロケーションデータセンターやクラウドにも拡張できるようになるという。また同社は、サブスクリプション契約によるソフトウェア(「Aruba Central」「BlueData」「Cloud Volumes」「InfoSight」「OneView」)の提供も継続すると述べている。
as-a-Serviceモデルへの移行が進めば、HPEの事業に占める経常利益の割合が高まり、業績の予測可能性が向上すると考えられる。HPEは他にも、いくつか重要な発表を行った。
ストレージ製品「Primera」
HPEが発表した「Primera」は、ミッションクリティカルなアプリケーション向けにこれまでにないほどのシンプルさや可用性、パフォーマンスを実現する。「HPE InfoSight」のAIプラットフォームを活用する。
Primeraはハイエンドのストレージプラットフォームのようだ。受注は8月から開始される予定だ。
コンポーザブルインフラストラクチャ関連
HPEは、同社のラックマウントサーバー「ProLiant DL 380/360/560 Gen10」をコンポーザブルインフラストラクチャに転換して、「Composable Cloud」で自動的に展開することが可能になったと発表した。
またこれまでHPEのコンポーザブルインフラストラクチャ製品では同社の物理的なストレージ製品や「VMware vSAN」を展開できたが、新たにハイパーコンバージドインフラ製品である「HPE SimpliVity」にも対応したという。
同社はSimpliVityの製品ラインアップも更新している。
Aruba、エッジコンピューティング関連
HPEはクラウドネットワーキング管理製品である「Aruba Central」プラットフォームを強化したと発表した。「Aruba NetInsight」と「User Experience Insight」をベースにし、高度なアナリティクスやアシュアランス機能を用いてインフラの問題を素早く解決する機能のほか、ソフトウェア定義インフラの管理ツールなどが追加されたという。またAruba Centralに「Amazon Web Services」(AWS)と「Microsoft Azure」へのゲートウェイが用意された。ネットワーク管理のワークフローも強化された。
さらにHPEは、Arubaのアクセスポイントにスマートセンサー技術である「ABB Ability Smart Sensor」を組み込み、センサーを備えたオペレーショナルテクノロジーのための機器との融合を進めていく計画であることも明らかにした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。