サービス主導のハードウェア企業へ--「HPE GreenLake」で転身図るHPE

末岡洋子 2018年08月29日 06時00分

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 米Hewlett Packard Enterprise(HPE)は、2017年に立ち上げたサービス事業「HPE Pointnext」をアグレッシブに展開している。オンプレミスと従量課金を組み合わせた「GreenLake」ブランドを開始し、サービスを拡充している。ハードウェアベンダーの同社だが、1年前にPointnextを立ち上げたシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャのAna Pinczuk氏は「サービス主導の企業になっている」と話し、新しいHPEのカギを握ると言っても過言ではない。Pinczuk氏に、GreenLakeの最新動向を中心に話を聞いた。

--2017年にGreenLakeブランドを立ち上げ、6月のHPE Discoverでは「GreenLake Hybrid Cloud」をローンチした。

Hewlett Packard Enterprise シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャのAna Pinczuk氏
Hewlett Packard Enterprise シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャのAna Pinczuk氏

 GreenLake Hybrid Cloudは、プライベートとパブリック、両方のクラウドを管理できるハイブリッドクラウドサービスだ。プライベートクラウド側ではMicrosoft Azureと提携しており、「Microsoft Azure Stack」をHPEのサーバ「HPE ProLiant」で提供している。パブリッククラウド側では、Amazon Web Service(AWS)、Azureと提携しており、これらの環境を管理できる。2018年11月までに提供を開始する予定だ。

 Googleについては、現時点では含まれていない。GreenLake Hybrid Cloudの技術側の機能は3~4カ月の作業が必要となり、まずAWSとMicrosoftからスタートした。主な理由は、AWSマイグレーション支援を得意とするCloud Technology Partners(CTP)、Azureを得意とするRedPixieを買収し、これらが土台となっているためだ。われわれは既存のプランニングとビルディング機能を拡張し、クラウドの運用管理も提供する。もちろんGoogleとも技術面で対話しており、顧客のニーズを見ながら対応を進めていきたい。

 GreenLakeでは、この他にもITインフラにクラウドの経済性を組み合わせた「GreenLake Flex Capacity」をパートナーが提供できるようになった。発表時で30のパートナー企業が「HPE GreenLake FlexCapacity for Partners」プログラムに参加している。このプログラムの下でパートナー企業はGreenLakeの7種類のパッケージを提供できる。Synergy(Synergy 480 Compute Modules)、SimpliVity(SimpliVity 380)などのサービスが含まれる。契約も簡単になった。これまでこのような契約は数十ページの契約書を用意していたが、わずか2ページだ。このように、オファーの構造を簡単にした。さらには、パートナーは17%のリベートを得られる。発表以来たくさんの問い合わせがあり、日本のパートナーからも肯定的な意見をたくさんもらっている。

--Pointnextの立ち上げから1年が経過した。新しいHPEにどのように貢献しているのか?

 HPEは、第2四半期の売上高が約75億ドルで、Pointnextはこのうち約25%を占めている。利益に占める比率も高い。

 重要なのは、Pointnextは顧客との関係をサービスベースにすることにある。われわれはソリューション主導なので、長期的な関係を構築している。多くの場合で契約は複数年であり、オンサイトで人を提供している。パートナーとの関係でも貢献している。Pointnextのビジネスの多くの部分がパートナー中心で、約35%がチャネル経由だ。このように顧客、そしてパートナーとも良好な関係を構築している。

--既存のコンサルティングやSI事業者との関係は?

 Pointnextをローンチした時にSIパートナーと話し合い、われわれのポートフォリオとSI事業者が持つ機能を見せ合った。Pointnextは技術ベースのプロフェッショナルサービスで、設計、プランニング、実装、マイグレーションなどのアドバイスを行う。HPEの製品ラインに近いもので、大手コンサルやSIなどとは補完関係になる。SIパートナーらは、ビジネスプロセスやアプリケーション側からのアプローチであるのに対し、われわれは技術からのアプローチだ。重複もあるが、顧客主導であるべきであり、顧客のために何が良いのかということを視点に、これらのパートナーと良好な関係を構築している。

--GreenLake Flex Capacityはハードウェアベンダーにとって新しい提供方法となる。このようなコンサンプション(消費)ベースのモデルからの収益が今後どのぐらいの比率を占めると予想しているのか

 GreenLake Flex Capacityは、現時点では向こう4年間で契約価値にして20億ドルのビジネス規模になっている。Pointnextのポートフォリオの中では大きな部分を占めるし、成長率という点でも最も高い分野だ。第2四半期は前年同期比82%増で成長しており、HPE全体で見ても最も成長している製品ライン。この1年で注文は倍増以上に増えるなど、素晴らしい立ち上がりだ。

 この先どのぐらい大きな事業になるのかは、まだ分からない。今回チャネルに拡大したので、さらに成長することは間違いない。大きな潜在性を占めている。

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