HPE Discover

AIの能力をハイブリッドクラウドに組み込むHPE--100%可用性ストレージも発表

末岡洋子

2019-06-21 06:00

 Hewlett Packard Enterprise(HPE)が米国時間6月20日まで開催した「HPE Discover Las Vegas 2019」で、同社はハイブリッドクラウドの戦略を一歩進めた。中核となる「コンポーザブル」に加え、人工知能(AI)の活用も差別化とするというものだ。「100%可用性を保証する」という新しいストレージライン「HPE Primera」も発表した。

HPE 最高経営責任者のAntonio Neri氏(左)とハイブリッドITプレジデント兼最高セールス責任者のPhil Davis氏
HPE 最高経営責任者のAntonio Neri氏(左)とハイブリッドITプレジデント兼最高セールス責任者のPhil Davis氏

AIの「HPE InfoSight」にスポット

 HPEが「正しいミックス」としてハイブリッド戦略を打ち出してから3年半、最高経営責任者(CEO)のAntonio Neri氏は、基調講演のステージで「HPEは顧客が自社にとって“正しいミックス”を動かせるようにする。そのために、クラウド対応とコンサンプション型の最適化されたソリューションを提供する」と方針を説明した。

 ハイブリッドITの領域を率いるPhil Davis氏(ハイブリッドITプレジデント兼最高セールス責任者)は、「アプリとデータがハイブリッドITの上を自由に行き来することで、優れた顧客体験を提供できる」と語る。

 ハイブリッドITにおいてコンポーザブルは中核であり、差別化となる。「コンポーザブルはHPEが生み出した新しいカテゴリ」(Neri氏)で、その特徴についてDavis氏は、自動化、自己修正、自己最適化などを挙げる。「インフラの管理に時間を費やしたくないし、コードとして扱いたい。動的にスケールアップ/ダウンできる」(Davis氏)。インフラ管理ソリューションの「HPE OneView」と組み合わせることで、実装までの時間を最大90%削減でき、管理者の生産性は48%、ダウンタイムも68%削減できるという。

 2018年に買収したPlexxiにより、「HPE Composable Fabric」を通じて動的なプロビジョニング、リソースの割り当てなどを行うことができるようになった。インフラがアプリケーションを認識できるようになり、ワークロードに合わせてリアルタイムでインフラを割り当てる。「最大で50%の削減も可能だ」(Davis氏)という。

 次のステップとしてHPEが進めているのはAIだ。ここで同社HPEは、「HPE InfoSight」を持つ。

 HPE InfoSightは、Nimble Storageで入手した予測分析技術だが、HPE ProLiant、HPE Synergy HPE Apollo、HPE 3PARへと適用先と拡大している。Neri氏は「HPE InfoSightはグローバルインテリジェントエンジンで、膨大な量のデータを分析しており最も高度」と述べ、予測分析により合計150万時間の顧客の時間を節約できたと続けた。

 イベントでは、このInfoSightをハイパーコンバージドインフラストラクチャーの「HPE SimpliVity」に拡大することを発表した。「顧客は可視性を得られ、性能についての洞察、キャパシティや使用率が分かる。ゲームチェンジャーだ」とDavis氏。VMwareに対しても性能最適化ができるといい、「VMwareの親会社(Dell)も実現していない」と述べた。これにより、「インテリジェントデータプラットフォーム」を構築する。

HPEがハイブリッド戦略で構築する「Intelligent Data Platform」 HPEがハイブリッド戦略で構築する「Intelligent Data Platform」
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