凸版印刷は、顔認識技術で個人を特定できる要素に独自の加工を施すことで、個人のプライバシー保護を実現する顔画像の非識別化サービスを12月から提供する。
顔認証技術はセキュリティ面などで社会に貢献する一方で、画像や映像から個人の特定が可能になることで個人のプライバシー情報が流出する事案も発生しており、欧州GDPR(一般データ保護規則)をはじめとするプライバシー保護規制が採用される中、データ利用とプライバシー保護の両立が求められている。
このサービスは、個人を特徴付ける要素の輪郭、目鼻立ちなどを加工し、顔画像の機械認識率を下げ、顔画像の非識別化を行うもの。AI(人工知能)による顔認識技術における個人情報の特定・流出を防ぐ。イスラエルのDe-Identificationとの戦略的提携を結び、同サービスの拡販をはじめ、用途開発やさまざまなサービスとの連携を行う。
顔画像や動画の非識別化サービスにおける3つの技術(出典:凸版印刷)
視認類似性を保持した技術では、個人の特徴となる要素である輪郭、目鼻立ちなどを加工し、顔画像の非識別化処理を行う。これにより、人間の目では判断できる要素を残しながら、AIでの顔認識による個人の特定を防止する。
また、最小限の属性情報(年齢や性別など)を残す形で、顔認識技術に対して対象の個人とは異なる別の顔を作成しながら顔画像や動画の非識別化処理をする技術となる。これにより、企業の技術開発やマーケティングなどにおいて、安全なデータ利用を実現する。
ぼかしによる技術では、自動的にぼかし処理を入れることにより、顔画像や動画の非識別化を実現する。映像内の人物プライバシーの保護にも有効となる。利用価格はPoC(概念実証)の費用として200万円からだという。