凸版印刷、航空手荷物用ICタグインレットを開発--長距離で安定した読み取り

NO BUDGET

2019-09-13 10:30

 凸版印刷は9月11日、アンテナにICチップを実装した航空手荷物用ICタグインレットを開発したと発表した。同製品は、航空手荷物の紛失(ロストバケージ)削減や業務効率化を目的に開発され、長距離で安定した読み取りを実現する。8月に海外の航空手荷物ラベル製造メーカーへサンプル出荷を開始しており、2020年1月に販売を開始する。2020年度に関連サービスも含め約3億円の売り上げを目指す。

 インレットとは、PETなどのフィルム上にアルミ箔や導電性インキでアンテナを形成し、そのアンテナにICタグ用ICを搭載したもの。同製品はインレットの構造を航空手荷物向けに最適化させており、電波の受信感度を高くしたことにより長距離通信を実現している。また欧州などで使用される860MHz帯と日本・米国・中国などで使用される915MHz帯に対応することで各国において異なる帯域での通信を可能にし、さらに消費電力が低いICチップを搭載している。

航空手荷物用ICタグインレット
航空手荷物用ICタグインレット
使用イメージ
使用イメージ

 世界の航空会社で構成される団体である国際航空運送協会(IATA)では、航空手荷物の輸送について出発地から目的地までの主要地点におけるトラッキング(追跡)実施を加盟航空会社に求めており、2020年以降全ての航空手荷物へのICタグ導入を推奨している。これを受け、凸版印刷はこれまでICタグ製品の開発で培ってきたノウハウを生かし今回の開発に至った。価格は1枚当たり約6円(インレット100万枚ロットの場合)。

 今後、凸版印刷では、同製品の技術検証などを進めるとともに、ICタグの普及に向けて流通向け低価格ICタグ「SMARTICS-U」の展開をはじめとしたICタグ、リーダー、決済システム、包装材、ソースタギング(装填・内蔵)など、ICタグ全般に関する製品・ソリューションの提供を進めていく。

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