ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」を提供するトラストバンクは、自治体専用ビジネスチャットツール「LoGo(ロゴ)チャット」の説明会を11月1日に開催した。同社は2019年度末まで1年間の無料トライアルを実施しており、10月31日時点で36自治体が同ツールを導入しているという。
LoGoチャットは、民間企業で利用されているチャットツールを自治体向けにカスタマイズしたもの。元々のチャットツールの効果を検証したところ、1人当たり1日約27分、年間約105時間の削減が見込まれたという。1アカウント当たりの税別月額利用料は、アカウント数による。1~500個は400円、501~3000個は350円、3001~1万個は300円、1万個を超える場合は要相談だ。
トラストバンク 取締役の木澤真澄氏
LoGoチャットでは、「総合行政ネットワーク(LGWAN)」を利用している。総務省は2015年、自治体における機密情報や個人情報を守るため、LGWANとインターネットを分離する方針を決定。2017年度までにほぼ全ての自治体がネットワークの分離を完了した結果、安全性の高い環境が構築された一方で、それまでインターネットで利用していたツールが使いづらくなったという。これを受けて、トラストバンクはLoGoチャットの開発に至ったとしている。
LoGoチャットは、LGWANに加えてインターネット上でも利用できるため、外出先や出張先からでもやりとりができる。その結果、災害時などでも現場の職員と災害対策本部がスムーズに意思疎通を取ることが可能となる。トラストバンクによると、LGWAN とインターネットの両方で使えるクラウド型のビジネスチャットツールは国内初だという。
※クリックすると拡大画像が見られます
LoGoチャットでは、一般的なビジネスチャットツールと同様、メッセージの送受信や資料の共有などができる。特徴的な機能としては、簡易的なアンケートをトークルーム内に作成する「アクションスタンプ」がある。これにより、会議の日程調整などをスムーズに行うことが可能となる。
※クリックすると拡大画像が見られます
加えて、ネットワーク環境「LGWAN-ASP」にサーバーを置いてアプリケーションを構築しているため、LoGoチャットを導入している自治体であれば、内部だけでなく外部の自治体ともやりとりができる。その結果、外部からの電話を取って対応する「電話受け」の業務が軽減すると期待される。