「iPhone」は企業向けの用途を意図して作られたものではない。しかし、Appleの最高経営責任者(CEO)Tim Cook氏は、今では同社はこの市場に引き込まれ、あらゆるFotune 500企業で存在感を増しており、10社に8社が専用の「iOS」アプリを開発していると語った。
Cook氏は米国時間11月19日、サンフランシスコで開催中のイベント「Dreamforce 2019」に登壇し、「iPhoneが登場すると、人々はそれを企業に持ちこみ、Appleに対して『これとあれをやってほしい。そして、企業で使うのに適したモバイルOSを作ってほしい』と言い始めた」と話した。
「私たちがその課題について分析し始めると、これまでには経験したことのない、個人とビジネスの融合が生まれてきていることが明らかになった」
「ほとんどの人は、スマートフォンを2つ持ち歩きたいとは思っていない。(中略)このため、私たちはこの10年ほど、このOSに企業向けの機能を取り込む作業を続けてきた」(Cook氏)
企業でのiPhoneの利用は、始まってからかなりの時間が経過し、「大変な勢い」を得ているにもかかわらず、いまだに消費革命には追いつけていないと同氏は言う。
同氏は、「ほとんどの人にとって、モバイルはまだ、ウェブとメールとメッセージングがすべてだ。これらはどれも重要だが、やはり、ビジネスを変えるのはモバイルアプリを使うことだ」と述べた。
人々はiPhoneや「iPad」を使って企業を変革し、「企業に活力を与えている」とCook氏は語った。
すると、Cook氏と一緒に登壇していたSalesforceのCEOであるMarc Benioff氏は、自分のスマートフォンは今やオフィスの延長になっており、このデバイスにすべてが収まっていると述べた。
Benioff氏は、「私は会社をスマートフォンで運営している。これは何年も前からで、もうコンピューターは持っていない」と話した。「もうコンピューターは必要ない。あなたたちの仕事はお見事だ。(中略)コンピューターはどこかに残っているはずだが、もうどこにあるのかも分からない」
「iPhoneを手に入れる前に撮った動画が入っているから、捨ててはいないはずだが、もう使わないし、今はどこにいてもスマートフォンがオフィスの延長の役割をしてくれる」
Dreamforceで、SalesforceはAppleのiOSとiPadOS向けの、再設計された「Salesforce Mobile App」とスキル学習アプリ「Trailhead GO」をリリースした。
Cook氏は、Salesforceとのパートナーシップについて、「限界はないと思っている」と述べている。