Salesforceは米国時間11月18日、刷新した「Salesforce Mobile App」とともに、Appleの「iOS」「iPadOS」向けの学習アプリ「Trailhead GO」をリリースしたと発表した。
提供:Salesforce
SalesforceとAppleの提携は「Dreamforce」で発表された。他のさまざまなエンタープライズ向けソフトウェアベンダーとAppleとの提携が思い浮かぶだろう。Appleはアプリ関連で、AccentureやIBM、SAPといった企業と協力している。こうした提携の根底には、iOS搭載機器、すなわち「iPhone」や「iPad」という、Appleのエンタープライズ市場における存在感を足がかりにして特色ある法人向け機能を実現するという全般的な狙いがあるようだ。
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Salesforceは今回、Appleとの提携の成果として「Salesforce Mobile SDK」の新たなバージョンを発表した。このSDKを利用することで、SalesforceのプラットフォームでiPhoneやiPad向けのネイティブなアプリを開発できる。なお、Salesforce Mobile SDKは今後、Appleのプログラミング言語Swiftで利用可能な最新ツール群のサポートを追加していくという。また、「Dreamforce 2019」のFireside Chatで、Appleの最高経営責任者(CEO)Tim Cook氏とSalesforceの会長Marc Benioff氏が対談する予定になっている。
Salesforceで製品管理担当バイスプレジデントを務めるDan McCall氏によると、Salesforce Mobile Appは同社の「Customer 360 Platform」をモバイル機器の小さな画面上にもたらすものだという。このアプリはここ1年間で1000を超える顧客によるパイロットテストを経ている。
Dreamforceでの発表におけるキーポイントは以下の通りだ。
- CRMアプリのSalesforce Mobile Appが刷新され、人工知能(AI)「Einstein」関連の機能やアナリティクス機能で強化されているほか、「Siri」ショートカットや「Face ID」といったiOSの機能に対応している。また、Siriと「Einstein Voice Assistant」によってメモの作成やタスクの追加、CRMレコードの更新が可能になっている。
- Appleの「Handoff」機能もSalesforce Mobile Appでサポートされている。
- Salesforce Mobile Appにオプトインしている顧客は、「Einstein Voice Assistant on Mobile」のパイロットテストにも参加できる。
- Trailhead GOは、開発者教育プラットフォーム「Trailhead」向けの初のモバイルアプリであり、iOSおよびiPadOS専用となっている。Trailhead GOではiOSアプリの開発ツールを含め、700を超えるトレーニングモジュールが利用可能になっている。Trailhead GOはSwiftとSalesforce Mobile SDKを用いて構築されている。
- Salesforce Mobile SDKが、Swiftと「iOS 13」向けに最適化された。iOS 13とiPadOS、Swiftに対するサポートには「Swift UI」や「Package Manager」も含まれている。
Salesforce Mobile AppとTrailhead GOはAppleの「App Store」で提供されている。Trailhead GOは2019年中に、iOSの「ダークモード」や、「Appleでサインイン」機能をサポートする予定だ。また、ダークモードとSwift UIをサポートする「Salesforce Mobile SDK 8.0」も2019年中に利用可能になり、iPadOSでの最適化は2020年に提供される予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。