デジタルマーケティング会社のメンバーズは、みずほ銀行が提供するワンタイムパスワードの利用を促進することで、不正送金の防止を目指す「不正送金被害ゼロプロジェクト」を企画・実行している。同社は12月17日、その成果を発表した。
みずほ銀行のウェブサイト(出典:メンバーズ)
ワンタイムパスワードとは、一定時間ごとに発行されて1度しか使えないパスワード。有効時間は、30秒程度のものが一般的だという。ワンタイムパスワードの場合、仮に盗まれても既に使ったものを再度使うことができず有効時間も短いので、安全性が向上するとされている。
日本におけるインターネットバンキングによる不正送金は年間300件を超え、その被害額は約4億6000万円にのぼるとメンバーズは説明する。こういった不正送金は、口座開設者の資産が奪われることに加え、流出した資産の一部が紛争やテロ活動の資金として使われており、社会課題となっているという。
みずほ銀行ではこういった金融犯罪の防止に向けて、インターネットバンキングにおける「トランザクション認証機能付きワンタイムパスワード」や「メール方式ワンタイムパスワード」を導入するなど、さまざまな対策を実施。その中で、メンバーズとの不正送金被害ゼロプロジェクトに至ったとしている。
2018年、この取り組みの中でメンバーズは社会課題への理解による解決を目指し、「不正送金被害をゼロに。」というメッセージをみずほ銀行のメールマガジンに掲載。その結果、従来型の訴求と比較して、ワンタイムパスワードの申込数が約13倍に増加したという。
メンバーズは第2弾として、みずほ銀行とNPO法人アクセプト・インターナショナルの共同プロジェクトを支援。ワンタイムパスワードのユーザー申込数が1万件に達すると、みずほ銀行が同法人に100万円を寄付し、元兵士らの社会復帰に役立てるという仕組みだ。
2019年11月15時点で、ワンタイムパスワードの申込数は1万件を達成。1週間の測定期間で比較した結果、メールマガジン経由の申込数は従来型訴求の約28倍、2018年の第1弾プロジェクトの約2倍に増加し、「不正送金被害ゼロプロジェクト」の効果を実証できたという。
(出典:メンバーズ)
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