アウトソーシングビジネスサービスは、約100人の従業員が利用するデータ分析基盤を「Oracle Cloud」で構築した。国内グループ従業員の快適な職場環境の整備を支援するデータを一元管理し、健康管理を経営視点で戦略的に実施する狙いがある。
同社グループは、国内に従業員約3万5000人、国内連結子会社は約30社に上り、自社だけでも約50拠点を抱える。従業員の健康管理を経営的な視点で取り組むことが急務となっていた。しかし、拠点や事業部門ごとにExcelや紙ベースで情報が管理されており、会社全体の従業員の現状が把握できず、適時的な行動を取ることができない状況だったという。
グループ内のシェアードサービス部門であるアウトソーシングビジネスサービスは、特例子会社の認可を受けており、従業員の9割以上が障がいを持ち、ダイバーシティーを推進している。同社は、将来的にあらゆる業務データが一元化されるシステム環境の構築を目指し、第一弾として健康経営を推進する柔軟で高性能・高セキュリティなシステム基盤を早急に構築する必要があった。さらに、社内にIT担当者が少なく、システム開発が容易で誰にも使いやすく、メンテナンス作業や運用管理を自動化できるソリューションを求めていたという。
そこで同社は、「Oracle Autonomous Data Warehouse」(ADW)と「Oracle Application Express」(APEX)を採用し、部門や拠点で管理されていたデータを一元化し、データを有効活用するための健康経営システム基盤を構築。ADW上でグループ従業員の健康情報を一元化し、拠点や業務などの勤務情報などを組み合わせて、シームレスにデータを参照・抽出できる環境を整備した。また、APEXを用いたアプリケーションにより、同社スタッフをはじめ、産業保健師、産業医、安全衛生担当者、健康経営推進担当者などの幅広い部門にまたがる100人がデータアナリストを目指し、セルフサービスで容易に必要なデータを可視化・分析し、適時的な行動を提示できる環境を整えている。
またアウトソーシングビジネスサービスでは、日本オラクルのコンサルティング部門が提供する初期構築支援サービス「Rapid Start Service for Autonomous Data Warehouse Cloud」も採用している。このサービスにより、ADWへのデータロードやAPEXおよび「Oracle Data Visualization」の導入支援を受けることで、システムの短期構築と導入展開が可能になったとしている。