IBMは、2018年に立ち上げた同社のData Science Elite Teamの陣容を設立時の3倍以上である100人近くにまで拡大し、これまでに130を超える顧客プロジェクトに携わってきているという。
IBMのデータおよび人工知能(AI)担当バイスプレジデントであり、「IBM Cloud」およびコグニティブ(認知)ソフトウェアの最高データ責任者(CDO)でもあるSeth Dobrin氏によると、Data Science Elite Teamは同社のサービスグループから独立したかたちで、ソフトウェア分野の顧客とともに作業するという。また、Data Science Elite Teamは通常、同社ソフトウェアの評価期間中や販売後の顧客対応を担当する。
Data Science Elite Teamは、大企業での配備を通じて培ってきた手法に基づき、ソフトウェア分野の顧客とともに機械学習(ML)やAIの実装を加速する。また、デザイン思考や迅速な実行、ビジネスのノウハウにより、顧客が実践できる詳細な計画も提供する。
以下では、Data Science Elite Teamがどのような人員構成になっているのか、そして同チームがどのような人材を獲得したいと考えているのかを紹介する。
チーム構成
Dobrin氏によると、チーム構成は25%が初期段階のプロフェッショナル、25%が極めて経験豊富なプロフェッショナル、そして残りが中堅どころ、あるいはそれ以上の経験を有したプロフェッショナルだという。そしてこれまでに採用した人材のうち、15%は社内からであり、残りは社外からだという。
専門的な知識が必要
同チームのあらゆる役割に共通するのはPythonだ。Dobrin氏は「最も基本的な要件はPythonの専門的な知識だ。これは仕事のあらゆる部分において必要となる」と述べている。作業に応じて必要となるその他の言語には、汎用プログラミング言語のScala、そして運用リサーチプラットフォームのOPALが含まれている。
チームにおける役割
チーム内にはさまざまな役割が存在する。まず、MLをサポートするための、数学に造詣が深いML専門家がいる。また、ScalaやPythonのほかに、NoSQLや「Apache Hadoop」といったデータベースの知識を有するデータエンジニアがいる。さらに、「意思決定の最適化に関する専門家」や、可視化に向けたエンジニアも少数いる。可視化に向けたエンジニアは、データジャーナリストとしても知られており、一定のMLの知識を有するとともに、ビジュアルデザインに精通している。
選考プロセス
Data Science Elite Teamのメンバー選考における最初の段階で、候補者はコーディングの課題に1人で取り組む。その課題をクリアすると、チームの上級メンバーの1人とビデオ会議を通じてコーディングセッションを実施する。次に、インタビューによって、文化的にチームに溶け込めるかや、顧客と向き合う能力が審査される。Dobrin氏は「専門性を有していても、顧客の前でその力を発揮できない人物もいる」と述べている。
ソフトスキル
IBMはソフトスキルをことさらにテストしていないが、顧客に向き合える人材となる上で、候補者は優れたコミュニケーションスキルやプレゼンス、振る舞いを有している必要がある。またIBMは、答えが分からない問題にどのように取り組むのかを見極めるための課題も用意する。さらに、仕事の75%は顧客の元での作業となるため、旅行好きという点は好材料になる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。