Citrix Systemsのネットワーク製品「Citrix Application Delivery Controller(ADC)」と「Citrix Gateway」などに存在する脆弱性が12月に報告され、1月以降にこれを悪用する攻撃が拡大している。同社は1月20日から順次修正パッチを公開する予定だが、それまでの緩和策が有効にならない場合もあるといい、製品の使用中止も勧告されている。
今回の脆弱性(CVE-2019-19781)は、任意のコードを実行し得るもので、悪用によってデータの改ざんや流出といった被害が受ける恐れがある。1月11日にこの脆弱性を悪用するコードがインターネット上に公開され、脆弱性の悪用を試みる不正な通信が世界各地で検知されるようになった。ラックによれば、国内でも12日から不正な通信の検知が増加しているという。
脆弱性が存在する製品は下記の通り。
- Citrix NetScaler ADCおよびNetScaler Gatewayのversion 10.5
- Citrix ADCおよびCitrix Gatewayのversion 11.1/12.0/12.1/13.0
- Citrix SD-WAN WANOP softwareおよびappliance model 4000/4100/5000/5100でサポートされたビルド
また、脆弱性を修正するパッチの公開予定日(米国時間)は下記の通り。
- Citrix NetScaler ADCおよびNetScaler Gateway version 10.5向け:1月31日
- Citrix ADCおよびCitrix Gateway version 11.1/12.0向け:1月20日
- Citrix ADCおよびCitrix Gateway version 12.1/13.0向け:1月27日
- Citrix SD-WAN WANOP 10.2.6/11.0.3向け:1月27日
Citrixでは、上記のパッチが公開されるまでの間、脆弱性の影響を緩和する方法を公開している。しかし同社によると、Citrix ADC version 12.1では、ビルド50.31、51.16、51.19より前のビルド環境において緩和策が適切に機能しない問題が分かった。該当する環境のユーザーは、使用を中止するか、問題のあるビルド以外に更新して緩和策を講じることをアドバイスしている。併せて、緩和策が有効かどうかを確認できるツールも公開した。
また、ラックは16日に新しい攻撃パターンの発生を確認したといい、攻撃や被害の有無を確認する方法も紹介している。