SAPは現地時間1月28日、2019会計年度第4四半期決算(12月31日締め)を発表した。クラウドの新規受注が好調だった。また、2019会計年度を通じて社内の財務目標をすべて達成したという。
国際財務報告基準(IFRS)に基づく第4四半期の売上高は前年同期比8%増の80億4000万ユーロ、非IFRSベースでは8%増となった。IFRSベースの1株あたり利益は3%減の1.37ユーロで、非IFRSベースでは21%減だった。
営業利益はIFRSベースで前年同期比11%減の21億2000万ユーロだった。非IFRSベースでは12%増、非IFRSの固定通貨換算ベースでは9%増となった。
クラウドの新規受注はIFRSベースで19%増の8億7800万ユーロ、固定通貨換算ベースでは17%増、IaaSを除けば20%増だった。
クラウドとソフトウェアの売上高は、IFRSベースで前年同期比8%増の68億5000万ユーロだった。非IFRSベースでは8%増、非IFRSの固定通貨換算ベースでは6%増となった。
ソフトウェアライセンスの売上高は、IFRSベースで前年同期比4%減の20億ユーロだった。非IFRSの固定通貨換算ベースでは6%減となった。
3つの主要事業セグメントである「Applications, Technology & Services」「Qualtrics」「"Intelligent Spend Group」について、第4四半期は好調だったと報告している。
Applications, Technology & Services部門は、前年同期比5%増の69億7000万ユーロ、固定通貨換算ベースでは3%増だった。
「SAP S/4HANA」の導入顧客は第4四半期に約1200社増加した。前年同期比で24%増加し、1万3800社を上回った。
第4四半期のQualtricsの売上高は1億5600万ユーロだった。新規顧客は、Volkswagen Group Australia、JPMorgan Chase、Allianz SE、Alaska Airlines、ExxonMobil、Santander、サムスンなどだ。
Intelligent Spend Groupの売上高は、前年同期比15%増の8億3000万ユーロ、固定通貨換算ベースでは12%増となった。
共同最高経営責任者(CEO)のJennifer Morgan氏とChristian Klein氏は声明で、「インテリジェントエンタープライズの力を活用してエクスペリエンス企業になるというSAPの戦略は共感を呼んでいる」と述べ、「より多くの顧客が自らのエクスペリエンスギャップを埋めるためにSAPとQualtricsに目を向けている。同時に、あらゆる導入モデルを横断したインテリジェントエンタープライズの中核としてのS/4HANAの力強い採用が続いている」と続けた。
通期では、IFRSベースの売上高は12%増の275億5000万ユーロ、非IFRSの固定通貨換算ベースでは9%増だった。
通期の新規クラウド受注は前年比25%増の22億7000万ユーロ、IaaSを除けば31%増だった。クラウドサブスクリプションとサポートのバックログは23%増で120億ユーロを超えた。クラウドの売上高はIFRSベースで69億3000万ユーロ、非IFRSの固定通貨換算ベースでは67億7000万ユーロだった。
IFRSベースの営業利益や営業利益率、1株当たり利益は通期で減少した。SAPは、Qualtricsの買収や構造改革費用などが影響したとしている。営業利益はIFRSベースで21%減の45億ユーロだった。
SAPは2020年の見通しについて、総売上高が非IFRSベースで292億~297億ユーロになると予想している。クラウドの売上高は、非IFRSベースで87億~90億ユーロ、また非IFRSベースの営業利益は、89億~93億ユーロになると予想している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。