ヴィーム・ソフトウェアは2月19日、データバックアップツールの新版「Veeam Availability Suite v10」の一般提供を開始した。データの可用性やポータビリティー、拡張性を向上させる次世代のデータ保護機能を搭載するなど、150以上の大規模な機能強化が図られている。
(左から)ヴィーム・ソフトウェアの古舘正清氏と吉田慎次氏
執行役員社長の古舘正清氏は、現在の企業ITではマルチクラウドが前提になっていることから、クラウド間でのワークロードやデータの移動を前提としたバックアップ/リストアが重要になると指摘。さらに非IT部門のユーザーでも使いこなせる簡便さやソフトウェア提供によるクラウド環境との親和性や柔軟性、データ復旧の確実性などが市場で評価されているとした。
続いて、バージョンアップの技術的な概要を説明したシステムズエンジニア本部 本部長の吉田慎次氏は、新たに搭載された機能としてNASバックアップの強化、マルチVM(仮想マシン)のインスタントリカバリー、ランサムウェアのロックアウト、SAP/Oracle製品のバックアップ強化、Linuxへの対応強化、Nutanix AHVの機能拡張、ファイルデータ管理の機能拡張、データの利用/活用といった点について順次説明した。
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なお、データ活用に関しては、新たにバックアップデータにアクセスするための「データインテグレーションAPI」を提供し、ビジネスインテリジェンス(BI)によるデータ分析や機械学習のための学習データとしてバックアップデータを参照できるようにしたというもの。従来、「単なる保険としてしか考えられていなかった」(古館氏)というバックアップデータを積極的に活用する手段を提供する形となる。