NTTコミュニケーションズは(以下、NTT Com)とレノボ・ジャパン(以下、レノボ)は3月3日、政府が推進している「GIGAスクール構想」を支援する小中学生の学習向けPCとクラウド型教育基盤「まなびポケット」、端末管理ツールをパッケージ化した「GIGAスクールパック」を共同で開発、同日付で申込受付を開始すると発表した。
GIGA(Global and Innovation Gateway for All)スクール構想は、文部科学省の概要によると、「1人1台端末および高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するとともに、並行してクラウド活用推進、ICT機器の整備調達体制の構築、利活用優良事例の普及、利活用のPDCAサイクル徹底等を進めることで、多様な子どもたちを誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学びを全国の学校現場に持続的に実現させる」ことを目指した取り組み。
2019年12月13日に閣議決定された2019年度補正予算案において「児童生徒向けの1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するための経費」が盛り込まれている。具体的な補助金として、端末1台当たり4万5000円を補助(2023年度までに小中全学年で達成)、また高速大容量の通信ネットワーク(2020年度までに、全ての小・中・高校・特別支援学校などで校内ネットワークを完備)の2分の1を補助、となっている。
今回発表の新パッケージは、この補助金を活用することを前提に、補助金の範囲内で調達できる金額のパッケージとしてまとめられている。
「GIGAスクールパック」は、大きく「端末」「クラウド型教育基盤」「端末管理ツール」の3要素を組み合わせたもので、価格は1台4万4990円(税込)。端末は「Lenovo ideapad D330」(Windows 10)または「Lenovo 300e Chromebook 2nd Gen」(Google Chrome OS)で、クラウド型教育基盤としてNTT Comが提供する「まなびポケット」の基本機能(シングルサインオン、学習履歴管理など)に加え、授業支援システム、学習コンテンツ、授業記録システムが提供される(無償)。端末管理ツールは、端末のOSに合わせて日本マイクロソフトまたはグーグルが提供するツールが組み合わされる。また、特別学習コンテンツとして、教科書出版社である東京書籍とレノボが共同開発したウェブアプリケーションの学校用プログラミング教材「みんなでプログラミング」(2020年8月に提供開始)と、アドビシステムズのクリエイティブツール「Adobe Spark」も提供される。
このほか、レノボでは同日付で「GIGAスクール構想の標準仕様に準拠」したIT端末の新モデルとして「Lenovo 300e Chromebook 2nd Gen」「Lenovo 500e Chromebook 2nd Gen」「Lenovo 10e Chromebook Tablet」「Lenovo 300e 2nd Gen」の計4機種を発表している。
レノボ・ジャパン 執行役員副社長の安田稔氏は、教育用PCに関する同社の「3つのコミットメント」として、「1人1台時代に向けて、必要十分な端末を低価格で提供」「クラウドをフル活用し、教職金の負担を軽減するための提案」「利活用率を向上させるための、教育コンテンツを含めた提案」の3点を挙げた。
また、NTTコミュニケーションズ 代表取締役常務取締役の菅原英宗氏は、同社が「創立以来20年にわたって教育のIT化を支援」してきたことを明かした上で、今回のGIGAスクール構想に関しては「価値あるものにするためには、実際に使われることが重要」と指摘し、学校現場における教職員の負担軽減のためにクラウドの活用や端末管理の省力化などの形で支援していくとした。
フォトセッションでの、各社代表者。ゲストとして、OSベンダーである日本マイクロソフトとグーグルも参加した。左から、NTTコミュニケーションズ 代表取締役常務取締役の菅原英宗氏、アドビシステムズ マーケティング本部 バイスプレジデントの秋田夏実氏、グーグル アジア太平洋地域 マーケティング統括部長のスチュアート・ミラー氏、東京書籍 教育文化局 教育文化総轄 本部長の長谷部直人氏、日本マイクロソフト 執行役員 コンシューマ&デバイス事業本部 デバイスパートナー営業統括本部長の梅田成二氏、レノボ・ジャパン 執行役員副社長の安田稔氏