Oracleは米国時間3月12日、2020会計年度第3四半期決算を発表した。業績は予想をわずかに上回り、サブスクリプションの売上高が安定した伸びを見せていることを強調した。
最高経営責任者(CEO)Safra Catz氏はカンファレンスコールで、サブスクリプションの売上高の勢いは、「ウイルスによる初期の影響がなければ、(第3四半期に)より顕著なはずだった」と、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に言及した。
Catz氏によると、Oracleはこれまで、感染拡大に対応するために「多少の変更をしつつ、おおむね通常通り業務を行っている」。ビデオ会議の活用や、重要でない出張の延期などで対応しているという。「新型コロナウイルスが顧客とサプライヤーに及ぼす影響がまだはっきりしていないため、第4四半期の見通しは不明だ」(同氏)
サブスクリプションの売上高はその多くがすでに受注済みのため、コロナウイルスの影響は最小限にとどまるだろうと、Catz氏は述べた。
非GAAPベースの純利益は32億ドル、1株当たり利益は97セントだった。売上高は前年同期比2%増の98億ドルとなった。
アナリストらは売上高を97億5000万ドル、1株当たり利益を96セントと予測していた。
クラウドサービスおよびライセンスサポートの売上高は、前年同期比4%増の69億ドル、クラウドライセンスおよびオンプレミスライセンスの売上高は12億ドルだった。
「サブスクリプションの売上高は一貫して成長し、継続的な収入を生んでおり、総売上高の71%を占めるまでになった。そのおかげで、当社の営業利益が四半期連続で増加しているほか、第3四半期は非GAAPベースの1株当たり利益が2桁成長を遂げた」(Catz氏)
またOracleは、取締役会が株式買い戻しに150億ドル追加することを承認したと発表した。さらに取締役会は、四半期配当金が発行済み株式1株当たり24セントになることを明らかにした。
Oracleは、ERP事業の成長についても取り上げた。今期は「Fusion ERP」クラウドの売上高が前年同期比37%増、「NetSuite ERP」が26%増となった。同社は現在、Fusion ERPの顧客を7000社以上、Fusion ERPの顧客を2万1000社以上抱えている。
また、創業者で最高技術責任者(CTO)Larry Ellison氏は声明で、「現在何千もの顧客が、革命的な新しい自律型データベース『Oracle Autonomous Database』を、当社の第2世代クラウドインフラ『Generation 2 Public Cloud』で使用している」と述べた。
Catz氏によれば、第3四半期にAutonomous Databaseの売上高は150%以上増加した。
Ellison氏は、第2四半期と同じように、Autonomous DatabaseインフラとクラウドERPアプリが、「Oracleの将来を決める2つの重要な製品分野になる」と再び断言した。
「これらの巨大な市場分野で首位に立つことができれば、隣接市場に属する当社のその他のアプリケーションやインフラ製品も成功する。当社はクラウドERP市場分野が、従来のオンプレミスERPソフトウェア市場の2〜3倍に成長すると見込んでいる」(Ellison氏)
Catz氏は現在の景気の不透明感を考慮して、第4四半期の予測に幅をもたせた。総売上高はマイナス2%からプラス2%の範囲になる見通しとした。サブスクリプションの総売上高は3〜5%増、また非GAAPベースのEPSは3〜9%増の1.20〜1.28ドルを見込んでいる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。