Amazonは、今後数年間のうちに世界で4つの新しい再生可能エネルギープロジェクトを開始することを発表した。Amazon Web Services(AWS)が運営するデータセンターにグリーン電力を供給する狙いがある。
これらの新プロジェクトはオーストラリア、スウェーデン、スペイン、米国のバージニア州で開始される。年間でさらに計約84万MWhのエネルギーを生成できる見通しだ。これは、米国の7万6000世帯に十分な電力を供給できるエネルギーだ。このプロジェクトでは、生成された電力は、AWSのインフラストラクチャーでサーバーとストレージ、ネットワーク機器の電力需要に対応するために使用される。
オーストラリアとスペイン、バージニア州では電力源に太陽エネルギーを、スウェーデンでは「陸上風力プロジェクト」を使用する予定だ。プロジェクトはそれぞれ、2021年から2022年にかけて開始される。
Amazonは、これらの新たなプロジェクトについて、2024年までに再生可能エネルギーの電力比率を80%、2030年までに100%を達成する目標に向けたロードマップの一環だとしている。
Amazonは、データセンターやそのほかのインフラストラクチャーの電力需要を緩和するため、すでに世界中で86の再生可能エネルギープロジェクトを運営している。例えば、50以上のフルフィルメントセンターで屋上に太陽光発電の設備を設置している。
Amazonは先頃、新しい本社「Amazon HQ2」に電力を供給するため、新しいソーラーファームをバージニア州ピットシルバニア郡に2年以内に建設する計画も明らかにした。HQ2は「400万平方フィート(約37万2000平方メートル)のキャンパス」になり、電力は「100%再生可能エネルギー」でまかなわれる予定だという。
それでもAmazonは差し当たり、クラウドインフラに注力している。Amazonのサステナビリティー担当バイスプレジデントのKara Hurst氏は4つの新プロジェクトを発表した際、「クラウドでアプリケーションを実行することには、環境保護の観点から見て、本質的にさまざまな利点がある。それに加えて、世界中でカーボンフットプリントに対処するためには、再生可能エネルギーへの投資も行うことが重要なステップだ」と述べた。
同社は2019年、パリ協定の目標達成を10年早める気候変動対策を発表している。また、最高経営責任者(CEO)のJeff Bezos氏は2月、気候変動対策のために100億ドル(約1兆1000億円)の基金「Bezos Earth Fund」を設立すると発表した。一方で、環境保護を訴えるAmazon従業員の有志団体「Amazon Employees for Climate Justice」などから、疑問の声も上がっている。
マイクロソフトも1月、二酸化炭素(CO2)排出量を実質マイナスにする「カーボンネガティブ」を2030年までに実現すると約束した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。