調査

クラウドインフラ市場の拡大続く、AWSやMS優位も--Canalys

Daphne Leprince-Ringuet (ZDNET.com) 翻訳校正: 矢倉美登里 吉武稔夫 (ガリレオ)

2020-02-07 07:30

 Canalysが発表した新たなレポートによると、2019年第4四半期は企業によるクラウドインフラサービスへの支出額が世界全体で前年同期比37%増となり、史上最高額に達したという。通期の支出額は1070億ドル(約11兆7500億円)となった。それほど驚くことではないが、Amazon Web Services(AWS)が3分の1のシェアを占めた。

Canalys
提供:Canalys

 多くの業界がデジタル化する中、企業はIaaSへの支出を増やすとともに、サーバーやストレージ、コンピューティングのほか、請求書発行からモニタリング、セキュリティまでさまざまなクラウドベースのサービスへの投資を拡大している。

 さらに、企業がクラウドインフラの利用を増やし、既存のアプリケーションの規模を拡大することに意欲的であることなどから、2019年の需要が急増した。Canalysは、この好況が今後数年続くと考えているようだ。レポートでは、クラウドインフラサービスへの支出総額が2024年には2840億ドルに達すると推定している。

 Canalysの主任アナリストAlastair Edwards氏は、「金融サービスからヘルスケアまで、さまざまな業界の組織が技術プロバイダー化している」と述べている。

 またEdwards氏は、「多くの企業は、各クラウドサービスプロバイダーの長所や、特定のタイプのワークロードに必要なさまざまなコンピュート運用環境を認識したうえで、マルチクラウドとハイブリッドITモデルを組み合わせて利用している」と説明している。

 2019年に成功を収めたクラウドプロバイダーには柔軟性があったと言える。AWSは2019年にクラウドインフラで32%のシェアを占めた。競合の「Microsoft Azure」は約17%で2位だ。

 Canalysのレポートは、「AWS Outposts」のようなサービスの一般提供により、AWSのさらなる成長が促されると予測している。AWSは2018年に、AWS Outpostsを発表した。AWSのパブリッククラウドに接続した統合ラック群上でネイティブなAWSやVMware環境を稼働させることが可能なサービスだ。

 また、マルチクラウドやハイブリッドソリューションを選ぶエンタープライズユーザーが増えている中、チャネルパートナーの役割がますます重要になっているとCanalysは述べている。

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