データセンターは大量のエネルギーを消費する施設として長きにわたって知られてきており、サーバーやストレージ、ネットワークといった機器は、全世界の電力需要の1%に相当する198テラワット時を消費している。
インターネットに接続する人々の数が増え、デジタルサービスに対する需要と、それに伴うデータセンター内のストレージ需要が増加することで、データセンターの電力消費が手に負えないものになりつつあるという懸念がある。
しかし米国時間2月28日に公開された新たな調査レポートには、そういった懸念は「社会通念」でしかないと記されている。Scienceで公開されたこのレポートには、「しばしば引用されている複数の簡単な分析は、世界のデータセンターで消費されているエネルギーが過去10年で2倍に増えており、その消費量は今後10年以内に3倍か、場合によっては4倍になると結論付けている」と記されている。
同レポートには、これらの予測が「外挿法」によるものであり、データセンターにおけるエネルギー効率に対する最近の最適化が考慮されていないと記されている。実際のところ同調査によると、データセンターで実行されているコンピューティングの量は2010年から2018年の間に550%増加している一方、同じ期間におけるデータセンターのエネルギー消費量は6%しか増加していないという。
データセンターにおけるエネルギー需要の伸びが著しく減少しているのは、2016年における米国での調査でも示されている。この調査の推定によると、データセンターにおける電力消費は2000年から2005年の間に90%増加したものの、2010年から2014年の間には4%の増加にとどまったという。
また、あらゆる経済分野でデジタル変革が進められているなか、データセンターの利用はますます活発化してきている。アナリストらは「データセンターは、そのサービスに対する劇的な需要の増加に応えている一方で、電力需要はこの10年間ほぼ一定レベルである点を指摘しておくことは重要だ」と記している。
あらゆる経済分野でデジタル変革が進められているなか、データセンターの利用はますます活発化してきている。
提供:IEA