Microsoftは、新型コロナ感染症(COVID-19)の感染拡大により、対人距離を確保する政策や外出禁止令が実施されている地域のリージョンで、Azureのサービスに対する需要が775%増加していることを明らかにした。同社は米国時間3月28日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、クラウドサービスの一時的な利用制限を開始したことについて説明する記事を発表した。
同社はこのブログ記事で、「Windows Virtual Desktop」の新たな利用が3倍以上に増加したと述べている。また、COVID-19関連のダッシュボードを共有するための、政府による「Power BI」の利用は、1週間で42%増加したという(Microsoftがクラウドサービスに関する数字を発表する際にはよくあることだが、これらのパーセンテージを計算するための基礎になる統計は明らかにされていない)。
Microsoftは3月24日に、需要の急増に対応するために、「Office 365」の一部の「必須でない」サービスをスロットリング(制限)していることを認めている。また欧州では、Azureの顧客が仮想マシンやその他のサービスを起動しようとする際に、制限を受けて起動できないケースが数多く発生している。これは、COVID-19の感染拡大を受けて、Microsoftがヘルスケア関連のワークロードを優先しているためだ。
同社は、3月28日に発表した記事で、優先度の設定が顧客に与えている影響について次のように説明している。
「私たちは、バランスを取って全ての顧客に可能な限り最高の体験をお届けするように設計された、幾つかの一時的な制限を導入している。私たちは、既存の顧客に対するサービス提供を優先するために、無料サービスの利用に制限を設けた。また、新規サブスクリプションに対しては、一部のリソースに制限をかけている。これらは“ソフト”な割り当て制限であり、顧客は制限の上限を緩和するための対応要求を送ることができる。もし直ちに要求に応じられない場合、需要の増加幅が少ない(稼働している54のリージョンのうちの)別のリージョンを利用するよう勧めている。私たちは、需要の急増に対処するために、適切なリージョンでの提供容量の追加を迅速に進めていく」
Microsoftは、今後も定期的にクラウドサービスのパフォーマンスに関する最新情報を提供していくと述べている。また、パフォーマンスの問題に関する最新情報を確認したい利用者に対して、「Azure Service Health」「Microsoft 365 Service Health」「Xbox Live」のダッシュボードを確認するよう勧めている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。