Amazon Web Services(AWS)とMicrosoftは、どちらも5Gを使ったエッジデバイスのクラウド接続に大きな可能性を見出している。AWSは2019年に、5Gデバイスの超低遅延アプリケーションのためのプラットフォーム「AWS Wavelength」をお披露目した。一方、MicrosoftのAzureチームも、米国時間3月31日に発表された「Azure Edge Zone」で、同様のことを目指している。
Azure Edge Zonesは、IoT、エッジ、5Gを生かした新たなシナリオを、Azureのマネージドサービスによって実現するソリューションだ。Microsoftは、この取り組みの一部をAT&Tと協力しながら進めてきており、2019年の秋には、自社カンファレンスの「Ignite」で(名前は違っていたものの)Azure Edge Zoneのコンセプトを発表している。中心になるコンセプトは、低遅延を必要とする5Gアプリケーションを、少ないホップ数で、クラウドのコンピューティング能力、ネットワーク、ストレージに接続することだ。
Microsoftはこの日、Azure Edge Zonesと「Azure Private Edge Zones」のプライベートプレビューを開始したことを明らかにした。パブリックプレビューは2020年夏に開始される可能性が高いという。
Azure Networking製品管理担当コーポレートバイスプレジデントのYousef Khalidi氏は、一部のエッジゾーンはネットワーク内に、一部は通信事業者に、一部は顧客の敷地内に置かれることになると述べている。想定されるシナリオには、オートメーションやサプライチェーン、小売業、ロボティクス、ゲーミングなどを挙げた。同氏は、Azure Edge Zonesと、Microsoftが現在提供しているエッジコンピューティング関連のソリューションとの違いは、Microsoftが管理するサービスとして提供されることだと述べている。
「Edge Zonesはマネージドサービスだ」とKhalidi氏は言う。「Edge ZonesはMicrosoftによって提供されるため、顧客が自分でセットアップする必要はない。Private Zonesの場合、顧客にデバイスが送付される。そのすべてをMicrosoftがクラウドから管理する」
Azure Edge ZonesのパートナーはAT&Tだけではない。Microsoftは、Azureのサービスを各通信事業者のデータセンターの5Gネットワークに直接接続する「Edge Zones with Carriers」と呼ばれるソリューションも用意している。パートナーとして名前が挙がっているほかの通信事業者には、NTTコミュニケーションズ、Rogers、SK telecom、Telstra、Vodafone、Proximus、Etisalatなどがある。Microsoftは、通信事業者パートナーとの共同顧客に対して、2020年中にEdge Zonesの提供を始める予定だと述べている。
同社は、12カ月以内に10カ所以上の都市でスタンドアロンのAzure Edge Zoneを提供する計画で、その第1弾として、ロサンジェルス、マイアミ、ニューヨークで夏から提供を始める予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。