IBMの新たな最高経営責任者(CEO)として米国時間4月6日に就任したArvind Krishna氏は同日、クラウド事業の責任者に元Bank of Americaの最高技術責任者(CTO)Howard Boville氏を起用することを明らかにした。Boville氏は、5月1日付けでクラウドプラットフォーム担当シニアバイスプレジデントに着任する。
Krishna氏は従業員に宛てた書簡の中で、Boville氏は「クラウドの分野で実績のある戦略家かつエキスパートであり、IBMとともに金融サービスに対応したパブリッククラウドを開発する過程で重要な役割を果たした」と述べた。
IBMは2019年11月、Bank of Americaと協力して、金融サービス業界のニーズに合わせたパブリッククラウドの構築を進めていることを明らかにしている。
Krishna氏はさらに複数の役員人事を発表した。IBM傘下のRed Hatでは、新たなプレジデント兼CEOにPaul Cormier氏を起用する。Red Hatの前CEOであるJim Whitehurst氏は、IBMのプレジデントに就任し、IBM StrategyおよびCloud and Cognitive Softwareを担当する。また、IBMのBridget van Kralingen氏がグローバルマーケット担当シニアバイスプレジデントに任命される。
Krishna氏はこの書簡の中で、IBMのハイブリッドクラウド戦略を推進していくには、具体的な行動を起こしていく必要があると述べ、そのためには「IBMの2つの戦略分野であるハイブリッドクラウドとAIの推進に対する理解を深め」、オープンソース界でのリーダーシップを始めとするIBMの優位性を生かしていく必要があるとした。
さらに同氏は、「IBMとRed HatがLinux、コンテナ技術、Kubernetesを新たな標準として確立するこの絶好の機会」を捉えて、「クラウドの世界でのアーキテクチャに関する争いに勝利」しなくてはならないと述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。