DevOpsは単なる技術的な取り組みではなく、ビジネスにおける提案でもある。DevOpsでは、ソフトウェアの開発プロセスや配備プロセスを総体的な観点から俯瞰(ふかん)できるようにするハイブリッドなスキルが求められる。半数以上の企業(52%)がDevOpsのスキルを有した人材の採用を加速させる意向を示している一方、3分の2近くの企業(65%)がこうしたスキルを併せ持った人材を見つけるのが困難だと回答している。
提供:Joe McKendrick
これは、1260人を超えるマネージャーを対象にDevOps Instituteが実施した調査で明らかになった重要な点だ。同調査では、DevOpsイニシアティブで最も求められているスキルとして、プロセスに関するスキルや知識が挙げられており、前年の調査で最も求められていた自動化スキルを上回る結果となった。また、DevOpsの採用と、アジャイル、サイトリライアビリティエンジニアリング(SRE)という各スキルを必須として挙げた回答者の割合も前年を上回った。
調査レポートの執筆者らによると、「ユーザーは(DevOps導入の最初の段階で)テクノロジーについて、そしてその潜在的なメリットおよび/あるいは実装上の難関について学んでいる。そして次の段階では理論的に、該当テクノロジーを用いるプロセスや規則を確立していくことになる」という。
DevOpsの道のりについては、半数以上の回答者が依然として非常に困難だとしている。調査レポートには「DevOpsは、従来型のIT部門の構成に根本的な変革をもたらす。DevOpsは新たなテクノロジーを導入するだけでなく、既存の責任構成というサイロの『破壊的な見直し』につながる、組織的な変革という難題に立ち向かうことを意味している。このため既存の組織モデルで構わないと考えている組織は、DevOpsを脅威として捉える可能性がある」と記されている。
今日主に用いられているDevOpsのトポロジーは大きな難題を抱えている。調査レポートの執筆者らは、3つのモデルを挙げている。最も活用されているのは、開発チームおよび運用チームとは別にDevOpsチームを設けるというDevOpsサイロ型、つまりDevOps支持モデルだ。次に広く用いられているのは、DevOpsを全員の仕事だと考えるDevOpsコラボレーションモデルだ。そして3番目によく用いられているチームモデルは、DevOpsチームが要求されるツールに責任を持つというDevOpsツールチームモデルだ。