地位の向上を望むITプロフェッショナルが頂点に至るための道筋にはいろいろな可能性があるが、どのルートを取るにしても、それに見合った能力が必要になる。では、上を目指す技術者はどんなことに取り組んでいくべきなのだろうか。また、キャリアを発展させ、できるだけ出世するためには、どんな分野に力を入れるべきだろうか。この記事では、3人のITリーダーにこの世界で上を目指すためのベストプラクティスを聞いた。
常に学び、世の中に遅れないようにする
広告技術の会社Criteoで最高技術責任者(CTO)を務めるDiarmuid Gill氏は、有望なITプロフェッショナルにとってもっとも重要なことは、常に学び続けることだと話す。
「常に変化し続けているITの世界では、最新のイノベーションについていくことは非常に重要だ」とGill氏は言う。「最新技術の寿命はどんどん短くなっている」
このことは、特に高い地位を目指しているキャリア志向の技術者にとっては、大きなプレッシャーになる。
キャリアの観点から見ると、多くのITプロフェッショナルは、ある時点で、技術のスペシャリストになるか、管理畑を進むかを選択しなければならない局面に直面する場合が多い。しかし、管理畑を進む人にとっても、新しい技術についての最新の知識を身に着けることは非常に重要だという。これは、この世界では簡単に時代遅れの人間になってしまうためだ。
Gill氏はまた、IT業界のもう1つのトレンドとして、企業が顧客中心に考えた製品やサービスの開発を行うようになっていることを指摘した。このため、向上心があるITプロフェッショナルは、複雑なコードだけでなく、クライアントのニーズに対する理解を深めていく必要がある。
「そのためには、できればクライアントと直接、それが無理なら、営業部門や事業開発部門などのクライアントとの連絡窓口になっている部署と、何が必要とされているかを話し合うべきだ。クライアントからの直接のフィードバックや意見があれば、相手のニーズに合ったものを提供できる可能性はずっと高くなる」とGill氏は述べている。
コラボレーション能力を磨く
グレーターマンチェスター交通局(TfGM)のIT責任者であるMalcolm Lowe氏も、キャリアを伸ばすためには、ユーザーのニーズに注目することが重要だと考えているITリーダーの1人だ。Lowe氏は、ITプロフェッショナルに対して、自分たちが行うすべてのことを、ビジネスの成果とユーザーニーズの観点から説明すべきだとアドバイスしている。なぜなら、それこそが技術者が最終的に提供すべきものだからだ。
「そのためには、とにかく人と話して、調査をすることだ。それ以外の方法はない」とLowe氏は言う。「外に出て、実際にサービスを使う人と話をするべきだ」
Lowe氏は、現代のテクノロジーの一番のメリットは、時間をかけずにものを作れることだと話す。以前の開発者は、製品が完成するまで外部とはコミュニケーションを取らずに作業をする傾向があったが、賢明な技術者はエンゲージメントを重視し、取り組んでいる作業が製品を使うことになる人に常にわかるようにする。