デル テクノロジーズ(デル/EMCジャパン)は、データサイエンティストや開発者が人工知能(AI)関連のアプリケーションやプロジェクトを遅延なく立ち上げ、実行できるAI向けのIT環境整備を支援するソリューションを提供開始する。
これらの支援ソリューションは6つあり、「One Convergence DKubeディープラーニング アズ ア サービス ソフトウェア」「Dell EMC HPC Ready Architecture for AI and Data Analytics」「Dell EMC Ready Solutions for Data Analytics」「Dell EMC Ready Solutions for Data Analytics--Spark on Kubernetes」「Dell EMC Ready Solutions for Data Analytics--Splunk Enterprise」「Dell Precision Data Science Workstation Guided Install Edition」となっている。
「One Convergence DKubeディープラーニング アズ ア サービス ソフトウェア」では、基本となるコンピュートとストレージを抽象化することで、オンプレミスでクラウド並みの使いやすさを実現し、コストを削減する。これにより、インフラをオンプレミスで導入する際に生じることの多い運用面での悩みが解消され、特にモデルの開発、トレーニング、導入といった重要なタスクで大きな効果が得られる。また利用可能なリソースを自動認識し、クラスターにノードを追加することで拡張が可能だ。
「Dell EMC HPC Ready Architecture for AI and Data Analytics」は、導入が容易なクラウドネイティブスタックによるリファレンスアーキテクチャーで、高速AIコンピューティングのパワーをエッジにまで届ける。NVIDIA製GPU、「Isilon」スケールアウトNASストレージ、「Bright Computing Solution for Edge」「Dell EMC Data Science Portal」「PowerEdgeサーバー」の組み合わせによって、あらゆる場所で収集されたデータに迅速にアクセスすることが可能になる。HPCとAIのIT基盤を統合することでサイロ化が緩和され、処理が統合されることで、AI、データアナリティクス、HPCのワークロードを別々のシステムで実行する場合と比較し、総所有コスト(TCO)を最大で3分の1に削減できるとしている。
「Dell EMC Ready Solutions for Data Analytics」では、2つの新しい検証済みリファレンスアーキテクチャーが追加された。これらは、異なるユースケースごとにソフトウェアとハードウェアの検証済みの構成を選択することで、AIとデータアナリティクスを使ってデータから素早くインサイトを得ることを可能にする。
「Dell EMC Ready Solutions for Data Analytics--Spark on Kubernetes」では、Apache Sparkを使ったバッチとストリーミングデータの大規模な処理を速やかに実行できるようになった。Apache Sparkは、データ処理をディスク上ではなくインメモリーで実行する統合アナリティクスエンジンで、ワークロードの実行を100倍高速化する。
「Dell EMC Ready Solutions for Data Analytics--Splunk Enterprise」では、Dell EMC PowerEdgeサーバーとDell EMC Isilon Storage NAS、Splunk Enterpriseの最新バージョンをベースに構築されたアーキテクチャーを搭載し、高性能・低遅延の入出力を提供する。
「Dell Precision Data Science Workstation Guided Install Edition」は、データサイエンティストがAIシステムの保守やモデルトレーニングの終了を待つことに時間を費やすことなく、インサイトの実験、探求、発見に集中して取り組めるように設計されたソフトウェア。事前設定された実証済みのData Science Workstation上で稼動させることで、生産性を最大限にまで高め、プロセスを高速化し、質の高いインサイトを得て、プロジェクトコストを削減することが可能となる。
これらのソリューションは、Dell Precision 7920 Tower Data Science WorkstationとDell EMC IsilonスケールアウトNASの双方を活用して利用されることが推奨されている。データサイエンティストは、このソリューションを使ってワークステーション上でモデルを構築しつつ、高速・高性能なスケールアウト共有ストレージ上にあるデータを利用して、それらのモデルのトレーニングを行うことができる。その後、システムの切り換えやデータの移動を行うことなく、シームレスにプロダクションへ移行することが可能で、このアプローチでは、データサイエンティストがトレーニングのためにデータセットをローカルに移動する必要がないため、生産性がさらに高まり、モデルのトレーニングにかかる時間を短縮できる。
さらに、デル テクノロジーズとNVIDIAは、Dell EMC Isilon、Dell EMC PowerSwitch、NVIDIA DGX-2のシステムをNVIDIA V100 Tensor Core GPUと組み合わせて使用することで、ディープラーニングトレーニングのワークロードを加速・拡張する方法を示すべく、連携して取り組んでいるという。このリファレンスアーキテクチャーに従い、企業はAIを大規模に利用して導入の高速化を図り、モデルの精度を高めビジネス価値を促進することが可能になる。