富士通は、クラウド型の健康管理支援システム「FUJITSU ヘルスケアソリューション LifeMark HealthAssist」の提供を開始した。2025年度末までに150の企業や団体への導入を目指す。
同システムは、各従業員の健康診断やストレス診断結果などの健康データと、時間外勤務や特定業務従事状況といった人事データとを連携させ、一元的に管理することができる。これにより、個人や組織単位で健康課題を把握し、産業保健スタッフによる速やかな保健指導を可能にし、データの集計・出力機能により、健康経営の申請に必要な定期健康診断やストレスチェックの受診率などの書類作成の効率と速度を大幅に向上できる。
従来、企業は必要最低限のリソースで労働安全衛生法に即した健康管理に取り組んでいたため、健康経営を始めるに当たって組織や人員を含む体制作りが必要となるほか、そもそも健康経営への取り組みをどのように実施すればいいのか分からない、といった課題があった。
LifeMark HealthAssistは、富士通のデータセンターを通じて安全な環境で提供される。健康情報の一元管理では、どの事業所からでも同一データにアクセスでき、従業員の健康状態の経年推移や受診状況を把握できる。個々の従業員の健康診断結果やストレスチェックなどの健康データと、深夜業や化学薬品を取り扱う業務に携わる特定業務従事状況などの就業情報に関する人事データを連携させることで、従業員の健康情報を一元管理する。
また経済産業省への健康経営優良法人の申請には、定期健康診断やストレスチェックの受診率、生活習慣病の治療状況、過重労働に対する保健指導の対応時間数など、多くのデータを収集する必要があったが、同サービスを用いることで、申請に必要なデータ集計や出力作業が容易になり、産業保健スタッフの事務作業を効率化できる。
「LifeMark HealthAssist」を活用した共創イメージ(出典:富士通)
健康経営を支援するサービス(開発中)
富士通は2020年度中に蓄積されたデータを分析し、従業員の健康状態の推移や予測を数字で把握可能な健康経営支援サービスをオプションとして拡充し、従業員の健康支援に関わるサービス提供事業者や健康経営をコンサルティングする事業者との共創ビジネスを推進していく。
販売・提供価格は、従業員2000人規模で初期費用が税別150万円から。月額費用は従量課金で同10万円から。