日本IBMは、企業経営者が新型コロナウイルス感染症に端を発するさまざまな環境変化に対峙する際に、特に重要となる対応観点や活動指針をまとめたホワイトペーパー「新型コロナウイルス感染症対策アクション・ガイド 日本語版」を発表した。同ガイドは、コロナ禍におけるIBM自らの事業継続の取り組みと経験に基づいて作成したもの。
大きな危機や変化に際して重要となる「従業員」「顧客とパートナー」「財務と業務」「コミュニティ」という4つの領域に焦点を当て、まとめられている。
「従業員」では、企業の中核を担う従業員を守るためには、部門横断型のリーダーシップチームを組織し、マルチチャネルのコミュニケーションプラットフォームといったオフィスに代わるインフラを整備し、事業継続計画やそれに基づく定期的かつ体系的な情報発信が必要だとしている。
「顧客とパートナー」では、平時とは異なるコミュニケーション活動に加え、商品や製品・設備が衛生面で問題がないことの周知、疑問や不安を解消できる仕組み、改善のためのフィードバックシステムの導入を進める必要性を説いている。
「財務と業務」では、サプライチェーン、生産ライン、流通チャネルの3つの領域における影響を最小化させるために、危機管理上の「管制塔」配置や堅牢なデジタルプラットフォームの構築、在庫とサプライチェーンに対する定期的な評価、スタッフ配置モデルの再設計、損益計算書やバランスシートへの影響シミュレーションを検討すべきだとしている。
「コミュニティ」では、あらゆる利害関係者から支持を得るためには、さまざまな重要利害関係者との個別のコミュニケーション計画や自社の事業活動・リソース情報に関する透明性の確保、医療従事者への支援、企業や個人を含むさまざまな被害者に対する支援(金銭・物資・サービス提供など)を検討する必要があるとしている。