米Oracleは現地時間4月28日、ウェブ会議サービスのZoom Video CommunicationsがIaaSの「Oracle Cloud Infrastructure」を選定したと発表した。
Zoom CEO(最高経営責任者)のEric Yuan氏は、「最近生じた急激な成長により、サービス提供能力の拡大が必要になった。複数のプラットフォームを調査したが、キャパシティーを迅速に拡張し、新規ユーザーのニーズを満たす上で『Oracle Cloud Infrastructure』が有益であると判断した」との声明を出している。
新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大する中、1日当たりのZoomの利用者は2019年末の約1000万人から現在は3億人に急増し、サービスリソースの確保が急務になっていた。また、さまざまなセキュリティ上の懸念や指摘も相次いでおり、OracleのIaaSを導入することで、これらの課題を解決する狙いがある。
Oracleによれば、Zoomは数時間で必要なITインフラリソースの展開を完了させ、数十万ユーザーをサポートしたのを皮切りに、現在は数百万ユーザーの同時利用に対応可能なリソースを確保した。1日当たり7PB(HD映像換算で約93年分)を転送しているという。
企業向けIaaSではAmazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloudの上位3サービスがシェアの多くを占める。OracleのIaaSは後発だが、3カ月あまりで30倍も利用者が拡大するZoomの採用事例はOracleのクラウドビジネスにも効果をもたらすことになりそうだ。
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