Oracleは米国時間4月29日、「Oracle Cloud Infrastructure(OCI) Compute E3」プラットフォームの提供を開始したと発表した。同プラットフォームは、AMDの第2世代「AMD EPYC」プロセッサーを使用したベアメタルインスタンスおよび標準インスタンスの新たなファミリーだ。AMD製プロセッサーによって実現されるコア数の多さと、メモリー帯域幅の大きさを特徴とするこれらの新たなインスタンスは、汎用ワークロードと広帯域幅のワークロードの双方に適したものとなっている。
同プラットフォームのベアメタルコンピュートインスタンスは128基のOCPU(128コア、256スレッド)と2TBのRAM、100Gbpsの総帯域幅をサポートしている。Oracleによると、このコア数はどのパブリッククラウドのベアメタルインスタンスよりも多いという。
OCIでは2018年10月に初めて、EPYCプロセッサーを使用したコンピュートインスタンスが提供されたことで、複数のエンタープライズ顧客と、Oracle CloudのアプリケーションがAMD製プロセッサー上で汎用ワークロードを実行するようになった。「Oracle E-Business Suite(EBS)」や「Oracle JD Edwards」「PeopleSoft」といったOracleのアプリケーションはいずれも、EPYCベースのコンピュートインスタンス上でサポートされている。
Oracleは、クラウドインフラの拡張によって新規顧客の獲得に成功してきているが、自社のスタックを見据えたクラウドの最適化によって既存のSaaS顧客にアピールすることもできる。
新たなE3インスタンスは「AMD EPYC 7742」プロセッサーがベースになっている。Oracleは顧客の声に耳を傾け、この第2世代プロセッサーを採用することで「E2」インスタンスを大きく上回る性能を実現した。またE3インスタンスでは、最大64基のOCPUと1TBのメモリーを搭載した、よりコア数の多い仮想マシン(VM)が提供される。さらに、この新インスタンスは、現在のE2インスタンスに比べると2倍となる、1OCPU当たり16GBのメモリーを搭載している。
またOracleは、従来のようにコア数を1/2/4/8/16の中から選ぶ形式ではなく、顧客がVMに必要とするOCPUの数をそのまま指定できるようにしている。
これら新インスタンスの利用料金は、4月からOracle Cloud Infrastructureの全てのコンピュートインスタンスに適用されるようになった、1秒当たりの課金モデルで算出される。最低課金対象時間はVMインスタンスの場合は1分、ベアメタルインスタンスの場合は1時間となっている。
E3インスタンスは現在、US East(アッシュバーン)とUS West(フェニックス)、Germany Central(フランクフルト)、Japan East(東京)で利用可能となっている。また、同社は3カ月以内にE3プラットフォームを世界中の商用リージョンで利用可能にする計画だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。