Denodo Technologiesは4月30日、2020年度版のクラウド利用調査の結果を発表した。これによると、ハイブリッドクラウドとマルチクラウドは事実上の標準になっており、回答者の半数以上(53%)が導入時の最も一般的な方法として採用していることが分かった。調査は2020年2月に250強の組織を対象に実施された。
ハイブリッドクラウド構成が全クラウド導入の中心を占め(42%)、それにパブリッククラウド(18%)とプライベートクラウド(17%)が続いた。ハイブリッドクラウドとマルチクラウドの利点には、支出とスキルの分散が可能なこと、弾力性を構築できること、各クラウドサービス事業者が強みとしている機能や能力を選択して利用でき、弊害の大きい特定ベンダーへの依存を避けられること、が含まれる。
最も一般的なクラウドの活用法としては、アナリティクスとビジネスインテリジェンス(BI)が最上位となり、3分の2(66%)の調査参加者がビッグデータの分析プロジェクトにクラウドを使用している。Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)のいずれにおいても、最上位の利用目的はアナリティクスとなっており、僅差で論理データウェアハウス(43%)とデータサイエンス(41%)が続いた。
データ形式については、使用されているデータの3分の2が依然として構造化フォーマット(68%)だが、膨大に蓄積されている非構造化データの重要性も増している。クラウドオブジェクトストレージ(47%)とSaaSデータ(44%)が、コンピューティング処理の容易さと性能最適化を高めるために頻繁に使用されている。さらに、クラウドマーケットプレイスが驚異的なスピードで拡大している。調査対象者の半数(50%)がクラウドマーケットプレイスを活用し、動機としてはユーティリティー/pay-as-you-go課金制度が最も多く(19%)、続いて自分で操作できてIT部門への依存を最低化できること(13%)が挙げられた。
Denodoによると、クラウド内でデータを統合する課題はほぼ倍増(43%)しているとし、現在、利用者はハイブリッド/マルチクラウド環境へのクラウドデータの統合を容易に行おうとしているという。多くの回答者が作業量の大きいデータの移行や複製が必要になる事態は避けたいと考えており、クラウド統合と移行の戦略の重要な部分としてデータ仮想化を考えている回答者が50%に迫っているのは、そのためだともしている。