Appleが、パスワードマネージャーなどのアプリの開発者向けに、強力なパスワードを生成できるよう支援するための一連のツールとリソースを無償公開している。
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これらの新ツール群は米国時間6月5日、GitHubで「Password Manager Resources」としてオープンソース化された。Appleによるとこれら新ツールは、パスワードマネージャーの開発者らが、より優れたエクスペリエンスをユーザーに提供できるよう支援することを主な目的にしているという。
同社がこれらのツールを公開したのは、パスワードマネージャーアプリが昔から抱えている問題に対処するためだ。こういった問題は「macOS」や「iOS」に限らず、あらゆるOSのユーザーに影響を与えている。
問題は、パスワードマネージャーによって生成されるパスワードが強力かつ唯一のものであっても、目的のウェブサイトが求める条件に合致しない場合も多くあるというところにある。
今回公開されたリソースには、今日の一般的なウェブサイトの多くで使われている、受け入れられるパスワードの条件をまとめたリストが含まれている。
同社は、これらの条件リストを用いるパスワードマネージャーが生成するパスワードは、強力かつ唯一なものとなるだけでなく、ユーザーが利用しようとしているウェブサイトとの互換性も有するようになるため、パスワードを決める際に起こりがちなユーザーエクスペリエンス(UX)の低下や、脆弱なパスワードの選択という、同社が避けようとしている状況を減らせるはずだと述べている。
さらに同社は、ログイン認証のバックエンドを相互共有するウェブサイトのリストも公開した。同社の狙いは、「入力するパスワードのサジェスト機能をより便利なものにする」ことだ。
この他にも同社は、ユーザーがパスワードを変更する際に現在リダイレクトされているウェブサイトのURLをまとめたリストも公開した。同社によるとこのリストは、パスワードマネージャーが弱いパスワードを検出した時に、ユーザー自らがパスワード変更ページを探し出すのではなく、適切なページにユーザーを誘導する上で有益なものになるという。
AppleはPassword Manager Resourceをオープンソース化した理由について、これらのルールをパスワードマネージャーに統合するとともに、この件に関する独自の洞察をプロジェクトに還元してもらうことで、ユーザーセキュリティの強化という全体的利益の追求が可能になるとしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。