BlackBerry Japanは6月8日、エンドポイントセキュリティ機能とエンドポイント管理機能を統合したソリューション「BlackBerry Spark Suite」の提供を開始したと発表した。
セールスエンジニアリングディレクターの井上高範氏は、オンラインで開催された記者説明会で、現在の状況を「エンドポイント/モバイルデバイスの種類や数が多い上にセキュリティ/管理製品がバラバラでそれぞれエージェントモジュールのインストールを要求するなどの混乱した“サイバーカオス”」であると指摘。さらに、新型コロナウイルスの世界的な流行を受けて多くの企業が急ぎ在宅勤務/テレワークの実施に取り組むことになり、対応が間に合わないなどの問題が生じているとした。その上で、同社のソリューションは「単一のエージェント、単一のコンソール、単一のクラウドなどをベースにし、混乱の中に秩序を作り、安心/安全をもたらす」とした。
今回発表されたSpark Suitesを構成する機能群は大きくエンドポイント管理機能「Unified Endpoint Management」(UEM)とエンドポイントセキュリティ機能「Unified Endpoint Security」(UES)に分けられ、機能の組み合わせの違いでバリエーションが用意される。Spark SuiteはUEMとUESを統合したフル機能版、「同UES Suite」はUESのみ、「同UEM Suite」はUEMの全ての機能、「同UEM Express Suite」はUEMの基本的な機能を含むものとなっている。
なお、UEM Suiteは「BlackBerry UEM」「同Access」「同Dynamics」等の12製品で構成され、UES Suiteは「BlackBerry Protect」「同Persona」「同Optics」という旧Cylance製品で構成される。同社 日本担当Vice Presidentの金城盛弘氏はSpark Suiteについて「グローバルでは5月下旬に発表された新しいコンセプトの製品群」だと紹介。Cylanceとのブランド統合については、これまで「BlackBerry Cylance」という名称も使われていたが、今後は製品の統合が進んでBlackBerryブランドに集約されていく方向だと語った。
BlackBerry Sparkの全体構成。昨秋にSparkのコンセプトが紹介されたときには、各種アプリケーションを実行するためのプラットフォームと位置付けられていたが、今回はアプリケーションをまとめたスイートの名称として使われているようだ