BlackBerry、AIを活用した「BlackBerry Intelligent Security」を発表

渡邉利和 2019年08月09日 13時02分

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 BlackBerry Japanは8月8日、最新のクラウドソリューションと位置付ける「BlackBerry Intelligent Security」の提供を開始したと発表した。各種センサーからのデータを人工知能(AI)によって解析することで、システムにアクセスしようとするユーザーや端末が置かれた状況をリアルタイムに把握し、状況に応じたセキュリティポリシーを動的に適用することで、セキュリティレベルとユーザーの生産性の両立を目指すという。

BlackBerry Japan カントリーマネージャーの柳澤久永氏
BlackBerry Japan カントリーマネージャーの柳澤久永氏

 カントリーマネージャーの柳澤久永氏は、まず同社の概要を紹介した。1984年にRIM(Research in Motion)として創業後、双方向“ポケットベル”(ページャー)で人気を博し、企業ユーザー向けメール端末「BlackBerry」はスマートフォン普及以前の法人ユーザーのデファクトスタンダード端末として一世を風靡(ふうび)した。その後、製品ブランド名だったBlackBerryに社名とし、車載システムなどに使われるリアルタイムOSメーカーだったQNXなど、さまざまな企業を買収してきた。最近では、2019年2月にAIを活用したセキュリティソリューションを手掛けるCylanceも傘下に加えた。

 柳澤氏は、こうした流れの中で同社の業態が「(従来のモバイル端末ソリューション中心から)ほぼ完全に変わった」とし、現在では100%ソフトウェアソリューションの企業になったとした。現在は「保護」をキーメッセージとして、「データ」「端末」「資産管理」「コミュニケーション」「人」「交通」を守ることに注力しているという。

 BlackBerry アジア太平洋地域および日本担当セールス エンジニアリング ディレクターのJonathan Jackson氏は、BlackBerry Intelligent Securityの詳細を説明した。同氏は、エンタープライズ環境における端末のセキュリティトレンドの変遷を振り返り、かつてはセキュリティをプッシュするモデルでうまく機能していたと述べた。

 その後に、BYOD(Bring Your Own Device:従業員が個人所有のデバイスを持ち込んで業務に活用するスタイルのこと)が一般化すると、個人所有デバイスのセキュリティを企業がコントロールすることが難しい状況が生じた。そこで同社は、セキュリティを抽象化し、デバイスレベルからアプリケーションレベルに対象となるレイヤーを引き上げることで対応したという。さらに、静的なセキュリティポリシーを一律に適用するだけでは状況の変化に対応仕切れないため、セキュリティポリシーの運用主体を人からAIへと変換し、機械学習(ML)を活用することで「Adaptive Security(適応的なセキュリティ)」を実現したという。

BlackBerry Intelligent Securityの主な特徴(出典:BlackBerry)
BlackBerry Intelligent Securityの主な特徴(出典:BlackBerry)

 BlackBerry Intelligent Securityでは、各種センサーのデータの活用と、AIベースの「Risk Model」に基づく制御が特徴になる。センサーデータは、「どこの通信事業者の回線か」「どのWi-Fiネットワーク/Bluetoothネットワークに接続されているか」といった情報はもちろん、GPSによる位置情報や、ユーザーのタッチスクリーン操作の癖といったバイオメトリクス情報も活用し、ユーザー/端末が置かれた状況を特定、リスクレベルを判断して「Location Based Risk Score」として数値化する。それに応じてして適切なセキュリティレベルを選択し、リアルタイムに適用する。

 例えば、通常のオフィスに所在する時には「セキュリティレベル高」、街頭の公衆Wi-Fiに接続しているときには「セキュリティレベル中」などと判断していく。また、特に機密レベルの高いエリアへユーザーが入った際には「カメラ、マイク、Bluetoothの利用を禁止する」など、アプリケーションレベルでの制御も可能。さらに、タッチスクリーン上で指を滑らす速度や向き、タップの強さといったユーザー個々の操作の癖も学習することで、普段とは操作の傾向が違うことを検出した場合に、念のため改めてユーザー認証をやり直すよう要求するなど、端末の紛失や盗難の際にも対応できるという。

BlackBerry Sparkの構成(出典:BlackBerry)
BlackBerry Sparkの構成(出典:BlackBerry)

 BlackBerry Intelligent Securityは、同社が構築した「BlackBerry Spark」プラットフォーム上に実装された最初のアプリケーションとなる。BlackBerry Sparkはクラウドサービスとして利用可能な他に、オンプレミス環境にも構築でき、両者の組み合わせによるハイブリッド構成も可能だが、AI/MLによるアナリティクス機能は同社がホストするクラウドでのみ提供される。

 また、セキュリティ分野におけるAI活用ではCylanceが知られるが、BlackBerry Intelligent Securityの開発は、Cylance買収以前にスタートしており、ここで活用されているAI機能はCylance買収とは別に開発されたものだという。ただ、「Cylance PERSONA」と組み合わせて運用することでデスクトップPCまでをカバーできるなど、両者のソリューションの融合も順調に進んでいるという。BlackBerry Intelligent Securityはパートナー経由で提供されるが、価格の目安は「ユーザー1人当たり月額数百円程度から」(同社)という。

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