Amazonは、警察による顔認識技術「Rekognition」の利用を1年間停止すると発表した。
数日前にはIBMが、汎用の顔認識技術を今後提供しない方針を明らかにした。人種に基づく差別や不当な措置を助長することを懸念しているとしていた。IBMの最高経営責任者(CEO)Arvind Krishna氏は議会に宛てた書簡で、法執行機関による顔認識技術の導入のあるべきかたちについて国内で議論が必要だと述べた。
警察などでの顔認識技術の利用については盛んに議論されてきたが、「Black Lives Matter」の抗議活動を機に一層表面化した。これまでに米国の複数の都市で、顔認識技術の利用を禁止する動きが出ている。サンフランシスコやオークランド、サンディエゴなどが2019年、そのような方針を示した。このテクノロジーには限界があるほか、利用する上での基準が十分に整備されておらず、マイノリティーへの偏見を助長する恐れがあるとしていた。
Amazonは、Thorn、International Centre for Missing & Exploited Children、Marinus Analyticsのような団体がRekognitionを利用して「人身売買の被害者を救ったり、行方不明の子どもたちを家族と再会させたり」することについては認めるとしている。
Amazonは、警察による顔認識技術の利用を1年間停止することで、倫理的な利用を管理する規制が整えられる十分な時間が生まれることに期待するとしている。
同社は次のように説明した。
われわれは、顔認識テクノロジーの倫理的な利用を律するより強力な規制が政府によって導入されるべきだと主張してきた。そして最近の米連邦議会は、この課題に取り組む準備が整っているように見受けられる。1年という保留期間によって、議会は適切な規制を導入するための十分な時間が得られるとわれわれは考えており、要請されればいつでも支援する準備がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。