Clouderaは米国時間6月11日、アナリティクスプラットフォーム「Cloudera Data Platform(CDP)Private Cloud」の技術プレビュー版を発表した。
同社は2018年10月、かつては火花を散らしていた競合相手のHortonworksとの合併を発表。それからわずか18カ月後に、CDPに欠けていた大きな要素、すなわちプライベートクラウドへの対応を提供することになる。
2社のプラットフォームを統合
CDPは、両社の旧来の「Hadoop」ディストリビューションを統合し、その中にあるすべてのオープンソースソフトウェアコンポーネント上に、クラウド指向のデプロイメントおよび管理のための抽象化レイヤーを実装した。さらに、高度なエッジ分析機能やIoTデータのストリーミング機能、全面的に強化した機械学習プラットフォームなどを追加した。しかし、CDPの最大の売りは「Kubernetes(K8s)」ベースの導入アーキテクチャーで、ユーザーはCDPクラスターを、マルチクラウドやハイブリッドクラウド上に自由に構築できる。
CDPなら、同社の集中型管理・ガバナンス環境の「Shared Data Experience(SDX)」を使い、一見相入れないように思えるこれらの資産を一括管理できる。同社のウェブサイトによれば、パブリッククラウドの場合、CDPは「Amazon Web Services(AWS)」と「Microsoft Azure」上で動作し、まもなく「Google Cloud Platform」にも対応する予定だ。しかし、同社が2019年9月にCDPを発表した際に、プライベートクラウドへの対応もロードマップには含まれていたものの、これまで提供されていなかった。
プライベートクラウドへの対応を公開プレビューとして提供
Clouderaは「CDP Private Cloud」の一般提供(GA)を今夏に予定している。パブリッククラウド版と同様、CDP Private CloudもK8sベースとなり、IBMの「Red Hat OpenShift」のプライベートクラウド環境で動作するように設計されている。
大手クラウドプロバイダー各社は、それぞれKubernetesのマネージドサービスを提供しており、OpenShiftも同種のプラットフォームをオンプレミスで提供する。このためCDPワークロードをパブリッククラウド間や、パブリッククラウドとプライベートクラウド間で移動させることができる。その結果、これらの環境で互換性が生まれ、顧客は最も便利で経済的な場所にクラスターを展開できるようになる。そして、CDPの「クラウドへのバースト」機能を活用し、柔軟性と機動性を実現できる。
Kubernetesで同じ土俵に
主要なクラウドプロバイダーは、HadoopとSpark向けに独自のマネージドサービスを1つ以上提供しているため、Clouderaがこの分野で独立してやっていくのは困難になっていた。しかし、すべてのクラウドを網羅した柔軟な互換性に加え、ストリーミングデータ、アナリティクス、データパイプラインとエンジニアリング、機械学習間のより高度な統合を提供すれば、Clouderaはクラウドプロバイダーがまだ未対応の分野で、企業顧客に重要かつ大きな価値提案をできることになる。
CDP Private Cloudの一般提供が、コロナ収束後に業界と社会が動き始めるタイミングと合えば、大手に太刀打ちできる機運をつかめるかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。