Clouderaの最高経営責任者(CEO)Thomas Reilly氏は、同社の業績を説明する電話会議で、米国時間1月3日に完了したHortonworksとの経営統合は今のところ概して順調であること、今後2四半期以内に「Cloudera Data Platform」の提供を開始する予定であることなどを明らかにした。
ただ、同社の2019会計年度第4四半期の業績と2020会計年度第1四半期に対する見通しは、市場の予想と比べて芳しくなかった。Hortonworksの買収が完了した数週間前に、アナリストがClouderaの将来的な姿を正しく分析できていなかった可能性もある。
Reilly氏は同社のエンタープライズ向けデータクラウド戦略について説明した。同社のエンタープライズ向けデータクラウドは、マルチクラウドかつハイブリッドで、複数のアナリティクス機能を取り扱い、ガバナンスを提供し、複数のデータストアを利用できるオープンなアーキテクチャを利用するものだ。
Reilly氏によれば、同社のエンタープライズ向けクラウド戦略は、まず「Cloudera Data Platform」を通じて実現されるという。同氏は次のように説明した。
わが社は、エンタープライズ向けデータクラウドを具体化した最初の製品を提供する準備を進めている。この製品はHortonworksとClouderaのプラットフォームのよい部分を組み合わせたものだ。この製品は「Cloud Data Platform」、あるいは「CDP」と呼ばれている。CDPは、今後2四半期以内にパブリッククラウドサービスとして提供される予定だ。また、2019年中にプライベートクラウド向けのCDPを提供し、エンタープライズ顧客のデータセンターでパブリッククラウドと同様の体験を享受できるようにする。
CDPを利用すれば、わが社の既存のエンタープライズ顧客は、自社のデータセンターのデプロイメントを、簡単にもっともよく利用されている2つのパブリッククラウドであるAWSとAzureのネイティブクラウドサービスに拡張できるようになる。
興味深いのは、合併後の同社の競争に対する見方だ。Reilly氏は次のように発言している。
昨年は、わが社の最大の競合相手はHotonworksであり、Clouderaだった。しかし今やわれわれは合併して1つの企業になったため、多くのメリットが得られると見ている。(中略)前四半期に増えた新規顧客の数を見てもらえば分かるとおり、わが社は一種のスタンダードだと見られており、新規顧客の獲得が加速している。では、現在のわが社の競合相手はどこなのか。それはAmazonだ。第1四半期の競争に関するロードマップでも、競合相手にはAmazonを想定している。ただし、企業としてのAmazonではない。Amazonはパートナーだが、Amazonがデータ管理アナリティクス分野で提供している製品とは競合関係にあるということだ。しかしわが社は、それらの製品との競争を優位に運べる立ち位置にあると考えている。わが社の価値命題はエンタープライズ向けのデータクラウド企業であるということであり、顧客はマルチクライアントのハイパークラウドを強く指向しており、わが社はエッジからAIまでをカバーする能力を持っているからだ。
Reilly氏は経営統合作業について、現在の同社は2000社のエンタープライズ顧客を抱えているが、Clouderaのプラットフォームを広範に導入しているのは10%以下だと述べている。同社は今後、顧客に対するアップセルやクロスセルを進め、バックオフィス、システム、施設利用の効率を改善し、販売、エンジニアリング、マーケティングの方向性を合わせていく計画だという。
Clouderaの決算の概要
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。