LINEは、同社のAI(人工知能)技術を基盤としたビジネスと、データ戦略を担う組織「Data Science and Engineeringセンター(DSEC)」の成長を推進するため、Clouderaのデータプラットフォームを採用した。Clouderaが4月2日に発表した。
コミュニケーションアプリを主軸とするLINEは、コミュニケーション、コンテンツ、エンターテインメントなど、モバイルに特化した各種サービスの開発・運営と広告事業に加えて、FinTech(金融技術)やAIなどの分野でも戦略的なビジネスを展開。DSECでは、多種多様かつ膨大なデータを横断的に処理・分析し、その結果を各サービスにフィードバックすることで、各種サービスのユーザビリティー向上や、新たなAI関連サービス・機能の創出にも注力している。
LINEは、2020年3月には、データ基盤開発、データ分析、機械学習、AI技術開発、基礎研究を担うチームをDSEC内に集約し、事業や担当領域を超えた横断的なデータ活用を促す体制を整えた。LINEが保有するAI技術の早期実用化と大規模データの活用によるサービス価値の向上を目指している。
そうした状況の中で、同社のデータプラットフォームには、ビッグデータを管理・活用し、セキュリティを保護しつつ、データを民主化することが求められていた。Clouderaのデータプラットフォームを活用することで、データのセキュリティ強化と運用コストの削減を可能にし、データの管理とガバナンスを強化する。また、各種サービスのデータウェアハウスを統合することで、データの安全性を損なわずにデータプラットフォームを強化し、社内全体のユーザーにガバナンスに基づくセルフサービス型の分析機能を提供する。
これにより、LINEは業務と部門を横断したデータ利用を促進し、大規模データベースを最大限に生かして既存サービスのユーザビリティーを向上しつつ、AIベースの新たなサービスや機能を開発していくという。
また、LINEでは、Clouderaのトレーニング制度を利用することで、DSECのエンジニアがビッグデータを効果的に管理し、セキュリティを保護するスキルを習得する。高いスキルを持つ人材の活用を通じ、同社は今後、ビジネスの原動力となるAI技術の研究開発の促進に向けて、より優位なポジションを確保していくとしている。