HoneywellとSAPは米国時間6月11日、財務データや運用データを組み合わせ、ビル管理を最適化する不動産アナリティクスプラットフォームの提供に向けた提携を発表した。
今回の提携は、量子コンピューティングからIoTまでのあらゆるものを対象とするテクノロジープロバイダーに転身しようとしているHoneywellにとって、重要なマイルストーンだ。
両社はこの提携により、「Honeywell Forge」と「SAP Cloud for Real Estate」を統合し、ビルの利用状況やサステナビリティーの指標を集中管理するダッシュボードを提供する。ビルのオーナーは通常の場合、複数の情報源からデータを取得する必要がある。両社の取り組みは、冷暖房空調設備(HVAC)の整備やセキュリティサービス、照明などの運用データを、利用状況やリース、メンテナンスを含むビジネスデータと組み合わせるものだ。
この新プラットフォームは、メンテナンス性と快適性、サステナビリティーをバランスさせるために、人工知能(AI)による自律制御機能を搭載することになる。
今回の提携は、新型コロナウイルス感染症による打撃を受けた経済を回復し、一部の従業員をオフィスに呼び戻す動きが見られるなかで実現された。多くの企業は、パンデミックを機にリモートワークの運用を拡大した結果、オンプレミスやリモートのハイブリッドなアプローチを計画している。そして企業は既に商用不動産にかかるコストの削減に目を向けており、今後は主要業績評価指標(KPI)を厳格にモニターしていくだろう。
このダッシュボードは以下の特長を有することになる。
- 情報テクノロジー(IT)と運用テクノロジー(OT)のKPIを測定する、事前に定義されたダッシュボード
- カーボンフットプリントの削減と、エネルギー効率の向上、メンテナンス時間の削減といった目標に基づく年間エネルギー消費量の監視/削減機能
- Honeywellが扱っているビル関連の情報と、SAPが扱っている不動産や財務関連の情報を融合させたデータアーキテクチャー
- 人の快適さに基づくKPIと、エクスペリエンスに基づくKPI
Honeywellの最高経営責任者(CEO)Que Dallara氏は、不動産に関するSAPとの提携を第一弾とし、他の市場への展開を進めていくと述べた。また同氏は、他のシステムやデータもこのプラットフォームに接続できるようにしていく可能性もあるとした。
提供:Honeywell
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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。