IBMとShellは米国時間6月17日、鉱業向けのサービスマーケットプレース「Oren」の提供を開始した。このプラットフォームは、鉱山会社の安全性、持続可能性、採掘計画、業務効率化などの支援を狙ったものだ。
Orenは、鉱業のデジタル化を加速させることを目指して作られたもので、スタートアップを含むさまざまな企業のアイデアやソリューションを、デジタル化の取り組みに支援を必要としている世界中の鉱山会社とマッチングさせる。IBMは、このプラットフォームを利用する鉱山会社は、デジタルトランスフォーメーションの取り組みを加速させることができると述べている。
IBMによれば、鉱山会社は必ずしも、業界が直面している課題に対応するための新しいツールを独自に開発できるだけの十分な時間や予算を持っているわけではないという。Shell Global Commercialのデジタルイノベーション担当ジェネラルマネージャーSaskia Mureau氏はOrenについて、デジタル化の過程に存在するギャップを橋渡しする「現場で効果が実証されているソリューション」の「ワンストップ・ショップ」だと説明した。
ShellはOrenの準備のために、350社以上の鉱山事業を調査したという。その結果、回答企業の80%が類似の課題を抱えていることが明らかになった。これには、次の行動に向けた知見を得るためのデータ収集や、サイロ化を原因とするインテリジェントなワークフローの欠如、サステナビリティの向上、自動化技術を導入した際の従業員の安全確保などが含まれる。
IBM iX BeneluxのパートナーであるNicoline Braat氏は、メディアの取材に対して、「多くの調査で明らかになった重要な鍵の1つは、(中略)デジタル化の分野と鉱業のデジタル化をさらに進めることであり、私たちは4つの分野に焦点を絞ることに決めた」と述べた。
OrenはIBM Cloud上で提供される。IBM Cloudでは9日に大規模障害が発生しており、このサービスを利用していた多くのウェブサイトがダウンし、IBMのクラウド運用状況ページでさえ見られなかったほどだった。
現時点では、180社のソリューションプロバイダーがOrenに参加するための作業を進めている。
鉱山会社が利用するプラットフォームの基本機能は無料で、有料で多くのアドオンが用意されている。Mureau氏はこれは「フリーミアム」のビジネスモデルだと述べている。
売り手側は、有料でOrenを利用し、ソリューションが購入されたときにも取引手数料を支払うことになるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。