三井金属鉱業は、銅箔事業の生産工場の可視化・効率化のために「SAP Cloud Platform」をはじめとするソリューションを活用した「スマートファクトリープロジェクト」に取り組み、2019年12月末に稼働を開始した。
三井金属は、中期経営計画「19中計」において、「ありたい姿を実現する成長基盤の変革」を図ることを掲げ、生産性向上、デジタル変革(DX)、スマートファクトリー化に取り組んでいる。同社の主力事業の一つである銅箔事業では、主力製品の「MicroThin」をはじめとした高いシェアを持つ銅箔製品があり、今後のさらなる発展のため、複雑化するITシステムへの対応、デジタル化や取引先などの外部環境の変化への対応を進めている。
今回の取り組みは、銅箔製品の生産管理領域で、熟練社員が豊富な経験をもとに計画立案、加工・検査・出荷していた作業をシステム化し、工場運営の高度化、効率化、自動化、可視化するものになる。生産工場の可視化・効率化のために、SAP Cloud Platformや「SAP Leonardo」などを導入し、従来は技術習得に10年の習熟期間が必要だった製品検査/加工処理を、経験と勘による判断から画像解析/機械学習による自動処理へと変えることができた。
開発にはコンサルタント150人月で、受注データ/製造データ/検査データのシームレスな連携・展開を行い、製品品質の高度化・歩留まりの向上を実現した。加えて、投資回収は2年間で完了予定という結果を出し、高い投資効果を導出したことも高く評価された。2019年12月に稼働を開始しており、本格稼働は2020年5月頃を予定している。
システムの開発・導入に当たっては、コンサルティングファームのクニエが業務改革およびデジタル化における戦略立案などのコンサルティング業務全般を担当した。