英政府、商用量子コンピューター構築に向け支援

Daphne Leprince-Ringuet (ZDNet UK) 翻訳校正: 編集部

2020-09-03 15:05

 英国のAmanda Solloway科学担当大臣が、同国初の商用量子コンピューターを企業が今後数年以内に利用できるようにしたい考えを明らかにしている。政府と産業界が1000万ポンド(約14億円)を投じ、支援する。

 この新しい量子コンピューターにより、量子革命が製薬、輸送、航空宇宙などの分野でもたらす、10億ドル規模の機会を企業が活用できるようになると期待されている。

 新しい量子コンピューターは、オックスフォードシャー州アビンドンに設置されるが、パートナーや顧客はクラウド経由でシステムにアクセスして操作し、機械学習、素材シミュレーション、金融などのアプリケーションを実行できるようになる。

 Solloway氏は、「世界で初めて量子に対応しうる経済を確立し、英国の企業や産業に数十億ポンド相当の機会を提供することを目指している。このため全国各地の企業が、アビンドンに拠点を置く英国初の商用量子コンピューターを利用できるようになることをうれしく思う」と述べた。

Rigetti
提供:Rigetti Computing / Justin Fantl

 量子コンピューターは、Rigetti Computingが3年間のプログラムの下、エディンバラ大学、Oxford Instruments、スタンダードチャータード銀行、Phasecraftなど、英国のさまざまな組織と提携して開発する。

 Rigetti Computingの子会社Rigetti UKへの資金提供は、2019年6月に実施された政府による「量子技術チャレンジ」(Quantum Technologies Challenge)の一環となる。政府は6月、資金提供を受ける38のプロジェクトを選んだと発表している。これは、量子技術の商用化に注力するプロジェクトを表彰するために、UK Research and Innovation(UKRI)が主導しているコンテストだ。

 Rigettiは、世界各地で量子コンピューティングプラットフォームを開発している数少ない企業の1社だ。同社は、量子コンピューターや超伝導量子コンピューティングシステムを開発し、その技術を量子クラウドサービス(QCS)と呼ばれるプラットフォーム上で、従来技術とともに運用しており、量子コンピューターをパブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドに統合できるようにしている。

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