IIJ、ため池用水位センサーと静止画カメラを提供へ--LoRaWANに対応

NO BUDGET

2020-12-25 15:13

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は、自治体や土地改良区向けに、ため池や用水路など水利施設の水位を遠隔監視/管理するセンサーと目視監視用静止画カメラを開発し、2021年1月5日に提供を開始する。

 これらは、省電力で電波伝播距離が広範囲な無線技術LoRaWANに対応しており、ユーザーは安価なランニングコストで運用できるという。また、無線基地局に複数のセンサーを接続し、地域で共同利用する仕組みも提供する。

 LoRaWANは、LPWA(Low Power, Wide Area)の無線通信プロトコルの一種。低消費電力かつ長距離通信を特徴とするIoT/M2Mに最適な無線通信技術で、免許が不要な周波数帯域を利用することで、手軽に利用することができるという。

 IIJは、これまで培ってきた農業向けIoT技術を体系化し、現在提供しているLoRaWAN対応の水田用水位センサーを応用することで、ため池や用水路などの水利施設向けの水位センサーと目視監視用のカメラを新たに開発した。LoRaWANの電波は数kmと広範囲に伝播するため、台風や豪雨時に現場へ赴くことなく、遠隔からスマートフォンなどで現場の状況を監視できる。

 用水路向け水位センサーは、用水路の水位を60cmまで1cm単位で測定でき、水位のほか、水温のデータも管理できる。税別価格は5万1000円。

用水路向け水位センサーの利用イメージ(出典:IIJ)
用水路向け水位センサーの利用イメージ(出典:IIJ)

 ため池/河川向けフローティング式水位センサーは、フローティング方式のセンサーを用いており、最大3段階までの水位を遠隔で計測することが可能。水深10mまで対応し、単3電池で約1年稼動する。税別価格は15万1525円。

ため池/河川向けフローティング式水位センサーの利用イメージ(出典:IIJ)
ため池/河川向けフローティング式水位センサーの利用イメージ(出典:IIJ)

 目視監視向け静止画カメラは、作物の生育や設備の監視など、目視監視が必要な対象物を定点観測できるカメラで、10分間隔で静止画を撮影し、画像を送信する。LoRaWANは大容量データの送信に不向きだったが、データを超高圧縮して分割転送することで、画像の送信が可能となった。通信費を抑えた目視監視が可能で、用途に応じて暗視撮影や高解像度画像の撮影にも対応できる。税別価格は15万円。

作物や施設の目視監視向け静止画カメラの利用イメージ(出典:IIJ)
作物や施設の目視監視向け静止画カメラの利用イメージ(出典:IIJ)

 多種多様なセンサーで同じ通信インフラ(基地局)を共有することで、水利施設の管理以外にも、施設園芸、見守り、防災システムなど多くの用途に展開することができる。IIJは、自治体や土地改良区が地域で通信インフラを整備する際、適切なエリア設計やシミュレーションなど、導入に向けた具体的な課題解決や無線基地局の整備設計についても支援するという。

通信インフラ(基地局)の構成イメージ(出典:IIJ)
通信インフラ(基地局)の構成イメージ(出典:IIJ)
サービスの利用料金(参考価格)(出典:IIJ)
サービスの利用料金(参考価格)(出典:IIJ)

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