新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによってクラウドコンピューティングや自動化、人工知能(AI)、機械学習(ML)への支出が加速され、MicrosoftやAmazon Web Services(AWS)が大きな勝利を手にしているようだ。
Flexeraの「2021 State of Tech Spend Report」(2021年のIT支出状況レポート)の調査で、企業の49%が2021年にIT支出を増やし、19%が現在のレベルを維持すると回答した。
Flexeraによるとの回答者のうち、COVID-19によって57%がSaaSへの投資を増やし、49%がパブリッククラウドサービスへの投資を増やしたと答えたという。またクラウドへの投資が急増する中、36%がオンプレミスソフトウェアへの投資を削減している。この調査の回答者は、北米と欧州における従業員2000人以上の組織に属するIT分野の幹部474人だ。
全体で見た場合、IT予算の30%がクラウドへの投資で占められており、その値は2020年の25%から増えているという。
COVID-19のパンデミックによってデジタル変革やクラウドへの取り組みが加速している中、MicrosoftとAWSが大きなウォレットシェアを握っているようだ。
- 回答者の61%は、2021年にAzureへの支出を増やすとしている。
- 回答者の57%は、2021年にMicrosoftのSaaS製品への支出を増やす計画だとしている。
- 回答者の54%は、2021年にAWSへの支出を増やすとしている。
- 回答者の46%は、2021年にMicrosoftのライセンスソフトウェアへの支出を増やすとしている。
- これらの支出が増加している一方で、回答者の25%は、2021年にOracleのライセンスソフトウェアへの支出を減らすとしている。
- 回答者の23%は、2021年にIBMのライセンスソフトウェアへの支出を減らすとしている。
全体的に見た場合、クラウド支出はオンプレミスのインフラ支出を上回っている。回答者の27%は、2021年にデータセンターの数を「大幅に削減する」とし、7%はデータセンターを撤廃する計画だとしている。
Flexeraによると、自動化への支出にも変化が表れており、回答者の73%は自動化への支出を増やすとし、64%はAIやMLへの支出を増やすとしている。
その他の主な数字は以下の通り。
- 2021年の主要なイニシアチブは2020年と同様に、デジタルトランスフォーメーション、サイバーセキュリティ、クラウドとなっている。
- 回答者の27%は、コスト削減を最も重要なイニシアチブだとしている。2020年には、この数字は9%だった。
- 企業はIT支出の64%を事業の運営に割り当てており、36%を成長とイノベーションに充てている。
- IT支出は平均で売上高の7.5%となっている。
- ITスタッフメンバーの約半数は在宅勤務となっている。
- 組織の79%は2021年にリモートワーカーへの投資が増加すると予想している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。