NTTPCコミュニケーションズは2月9日、セキュリティ強化、社内ネットワークの輻輳(ふくそう)回避、マネジメント機能をまとめて提供する新サービス「Secure Access Gateway」の提供を開始した。「SASE(Secure Access Service Edge)のフレームワークに沿ったサービス」だといい、「一般的なセキュリティを守って簡単に使えるサービスを求める中堅中小企業向け」と位置付けられる。
同社 サービスクリエーション本部 本部長の三澤響氏は、デジタル変革(DX)の推進が必須と考えられているにもかかわらず、日本企業のDX化が進行していない現状を紹介。その理由として「新しいICT(情報通信技術)の導入に向けた初期投資とDX人材の確保が必要だが、これらはリソースに余裕のある大企業では対応できても中堅中小企業では難しい」とした上で、DX推進に必要な新しいICT環境として「オンプレシステムに代わるSaaSの利用拡大」と「どこからでも業務できるリモートワーク環境の整備」の2点を挙げた。
NTTPCコミュニケーションズ サービスクリエーション本部 本部長の三澤響氏
そして、中小企業がこうした目的を実現するための新しいネットワーク環境を「大規模な投資を必要とせず、DX人材を必要最小限化できるサービス」としてSecure Access Gatewayを提供するとした。
同氏はまた、コロナ禍以前には一般的だった境界防御型のセキュリティが、SaaSの利用拡大やリモートワーク環境の整備といった要件によって境界が曖昧になった結果有効とはいえなくなってきている現状を指摘し、同社が提供するネットワークサービスもこうした環境の変化に合わせて変革する必要があったとした。
新サービスのコンセプトは“ちょうどいい”だといい、「“ちょうどいい”セキュリティ」「“ちょうどいい”ネットワークアクセス」「“ちょうどいい”マネジメント」をサービス型で提供する。同氏は「個別設計不要でシンプルな機能に絞っており、初期費用不要で短納期」といった点が特徴だとした。
サービスは大きく「セキュリティ機能」「ネットワーク機能」「マネジメント機能」の3つで構成される。セキュリティ機能には、SaaS利用時に必要なセキュリティを提供するもので、悪意あるウェブサイトなどからユーザーを守るためにURLフィルタリングを行う「DNSセキュリティ」(3月提供)、アカウント管理とシングルサインオンを行う「ID運用管理」(2021年度上期)、ユーザーの安全なクラウドサービス利用を実現する「セキュアWebゲートウェイ」(2021年度下期)がある。
ネットワークアクセス機能は「リモートアクセス」「SD-WAN」「インターネット」で、いずれも既に提供中。マネジメント機能では、機能の簡単な購入や、利用状況の一元管理を実現するダッシュボード機能を3月提供となっている。
同氏は、「中堅中小企業において、セキュリティを守りながら働きやすき環境をどうやって整えていくかが考えるべき課題だ。今回のサービスで中堅中小企業のDX加速に貢献していきたい」とした。