IDC Japanは、2020年の国内ITサービス市場のベンダー売上ランキングを発表した。上位5社は富士通、NTTデータ、日立製作所、NEC、IBMで、NTTデータは中央省庁向けのマネージドサービスの拡大により3位から2位に順位を上げたという。
同社は、2020年の同市場が前年比2.8%減の5兆6834億円だったと予想。サービスセグメント別で見ると、プロジェクトベース市場が前年の特需の反動減と新型コロナウイルス感染症の影響で、上位10社中7社がマイナス成長だった。マネージドサービス市場は、新型コロナウイルス感染症の影響が限定的で、上位10社中6社がプラス成長だった。サポートサービス市場は、ハードウェアサポート市場の縮小傾向の継続、前年特需の反動減と新型コロナウイルス感染症の影響で上位10社中9社がマイナス成長だった。
産業分野別で見ると、金融向けは新型コロナウイルス感染症の影響が比較的小さく、上位10社の順位に変動はなかった。製造向けは新型コロナウイルス感染症の影響が大きく、上位5社は全てマイナス成長だった。政府/公共向けは、中央省庁向けでは新型コロナウイルス感染症の影響が比較的小さかった一方、地方自治体は大きく、前年特需の反動減も影響して、ベンダーの成長率にばらつきが見られるという。
前年比売上成長率が最も高い大手ITベンダーは、前年に続いてアクセンチュアだった。全産業分野で2桁台のプラス成長を遂げ、ITサービス事業の拡大が続いているとする。IDC JapanでITサービス リサーチマネージャーを務める木村聡宏氏は、「低成長が続く見込みの国内ITサービス市場でITサービス事業者は、収益力の向上と増加するアジャイル開発やDevOpsに不可欠な開発力の強化に取り組むべきである」と述べている。
国内ITサービス市場 上位7社の売上額(サービスセグメント別)、2020年(出典:IDC Japan)